真昼の悪魔 うつの解剖学
![]() 「真昼の悪魔 うつの解剖学 上」 アンドリュー・ソロモン著 原書房 2003/08 [ Amazon ] [bk1] (原書:Noonday Demon, 2001) |
読んだのはまだ上巻だけだけれど、ウワサにたがわず見事な作品。
かなりの大部なのに、陰鬱に終始しがちな主題なのに、読ませる。
2001年全米図書賞 ノンフィクション部門受賞。
2002年ピューリッツァー賞 ノミネート。
おみごと。
具体的、かつ印象的なエピソードをふんだんに織り込み(自殺の手段が危なそうなゲイとの肛門性交ってのは…
しかもバイセクシャル著者自身が行った行為)、治療やうつ病の病態研究も広範に紹介。
産後うつ病、会話療法・薬物療法、電気ショック療法、サプリメントや食事療法をはじめとする代替療法(民間医療)、性差、小児うつ病、人種、ゲイ(うつは同性愛で高率:環境要因?)、文化差(※ 文化結合症候群)とイアン・ハッキングの『一過性精神病』も登場。
※ 文化結合症候群/文化拘束症候群
東南アジアのアモクやラターが有名。
日本の「肩こり」も文化結合症候群な感じ。
当該書ではイヌイットの「北極ヒステリー」「山岳放浪者症候群」「カヤック不安症」が登場する(p.358)。
[ 身体化 somatization ] 池田光穂
[文化拘束症候群とは何なのか ] 中川 敏
文化や国によって異なる心の病
アメリカで多く、パプアではほとんどみられない拒食症
マレーシアのコロやアモク 環境情報が心の状態を大きく左右するようだ
2001/05 [ New York Times ] Regional Disturbances

★下巻についてのエントリ 2004/02 「真昼の悪魔 うつの解剖学 下」
関連: 2004/02 「あなたは気づけるか!?子供のうつ病はうつに見えない 男はうつ病で酒や暴力に」

ついでに。
この本の装丁・挿画、たいへん印象深い。
読む前は、メインに描かれている正体不明なキャラにいぶかったけれど、読後はひさびさにこれ「いい絵だな、いい装丁だな」と感じ入りました。絶妙。
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