インターネットは民主主義の敵か
![]() 「インターネットは民主主義の敵か」 キャス・サンスティーン 毎日新聞社 2003年 [ Amazon ] [bk1] 原書=2001/ [ Republic.Com ] |
ネット上の集団分極化(集団成極化現象)を憂う著者は、著名な法・政治系教授。
ネットは、多様な情報の送受信を可能にさせるが、同時にユーザのアクセス範囲を偏らせていく効果を持つ。
集団分極化(リスキー・シフト/コーシャス・シフト)や、情報の選り好み、くわえて情報カスケード(意見が雪崩れ偏る)現象: サイバーカスケード が、”民主主義”にとって是と出るか否と出るか。
適切な力は、(偏らず)多様な情報に接触することからもたらされる。
ネット上の言論の自由についての米国憲法をはじめとする考察も。
良書であろうけれど、原書が2001年時点の著述である。
当時はSNSもWeb2.0もまだだった。
情報庫: [ 集団成極化 Group Polarization ] [ インターネット利用と心理 ]

政治はわからんし苦手だ。
私はどっちかというと「施策をどうすればいいか」ではなく「個人がどう判断&行動するか」。多数をコントロールするための猿山大将な視点を好む人間ではなく、「個人」の側の視点を想定してうろうろするのが好み。
大上段にお堅い書評がお好みの方は
[ 書評『インターネットは民主主義の敵か』 ]@Doc-show-log
あたりをご参照下さい。
しかし、たまにブログの更新リストとか眺めていると「まるで駅前雑踏の中でテレパシーを無差別受信しているみたいだ」と思うのは私だけ? 雑多。てんでばらばら。ホワイトノイズ&ミーイズム(死語?)。
んでもって、ネットワーカーのうちどのくらいの割合の人がリスキーシフトとかインターネット利用心理とかかじってみたことあるんだろうか。

ごく少数なんだろうなぁ。数年前に比べても著作権法について調べた経験があるネットワーカーの割合も激低みたいだし。
こういう基本的な部分を知っててつなぐのと知らずにアクセスするのとではかなり違うと思うんだけど(デマ生成・著作権法侵害等、犯罪行為に荷担するか否かとか真偽鑑別眼とかメディアリテラシーとかさ…)。
(2004年時点の記述です)

「情報カスケード」といえば、いつだか上海万博が決まった経緯もけっこうキテいた。
万博をどこで開催するか、人権問題云々でかなり反発食らって不利な候補国だった中国。
この評判の悪い中国を、開催国候補として推すにはどうすればよいか。
辣腕(らつわん)の広告宣伝エージェンシーが、某弱小NGOだかNPOだかが自サイトに掲げていた
「中国で万博を開催すれば、環境問題も人権問題も
国際的水準にまで引きあげることができるだろう」
な旨のフレーズをピックアップして喧伝。
するとそれがウケて世論が雪崩れ、2010年の万博開催地はあっさり中国に決定。
(NHKの「情報の世紀」あたりでやっていた話:関連情報が検索しても出てこないぞ&うろおぼえ どこかにない?)

『情報一般に関しては、劇的に意見が変わることを可能にする
「形成の転換点(ティッピング・ポイント)」』
という現象のくくりもあるとのこと。(「インターネットは民主主義の敵か」p.96)
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