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2004.02.09

豆腐小僧双六道中ふりだし

cover
 
「豆腐小僧 双六道中ふりだし」
 
 京極夏彦
 講談社 2003/12

 面白い。
 物書きにとって面白い。
 場をメタに見る。キャラをメタに考える。
息をするごときに、あたりまえなふだんの思考形式がここにある。表現が染み入る。
 
右画
 一部でこの作品に関して不評を聞いているが、
 物語をこしらえ慣れていない人には、この語りの形式はむやみに煩瑣でうざいだけなのかもしれない、
などと思う。

 話は お江戸の妖怪語り(江戸末期)なのだが、
 はなからとても”往年のSF”臭を感じる。

小僧のありようは、1960年代の [ ヒューゴー賞 ][ ネビュラ賞 ]がらみSF短編を思い出させる。

 宇宙から飛来した地球外生命体。
 出会ったA少年が「ボールだ」と思うと、地球外生命体であった「それ」は「それ」の意に関わらず、意に反して、ボールになってしまう、ボールにされてしまう。
 出会った人々が「A少年だ」と思うと、地球外生命体であった「それ」は「それ」の意に関わらず、意に反して、A少年になってしまう、A少年にされてしまう。
 で、もともとのA少年は、宇宙から飛来した地球外生命体の宇宙船に乗り込み、宇宙に旅立っていってしまう。
 残された元地球外生命体は、出会う人々の一方的な認識によって「A少年」にされたまま、「A少年」という存在概念に縛り込まれたまま、地球上で「ぼくはA少年じゃない」「ぼくのことをA少年だと想念するな」と「A少年の姿で」叫びながら.......

 言霊縛り。
 シニフィアンとシニフィエ。
 我思う、ゆえにあり。

 装丁造本もキュート。
 ノンブル対面の極小タイトル活字が私的にツボ。
(どこかに少し水っぽさがほしかったかな/「どすこい」ほどの滴りが欲しいわけではないが)

 京極夏彦による”モノとコト”講釈は下記書籍でも読める。
cover「怪異学の技法」 東アジア恠異学会編 臨川書店 2003/11


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» 我思う、故に汝あり。 [鯵!]
 「我思う、故に汝あり」  言い得て妙、だと思います。これが所謂、言霊の最たるものとしての名前でしょう。  妖怪だって、そうです。水鳥の泣き声に似た声を聞けば、... [続きを読む]

受信: 2004.03.11 16:39

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