豆腐小僧双六道中ふりだし
![]() 「豆腐小僧 双六道中ふりだし」 京極夏彦 講談社 2003/12 |
面白い。
物書きにとって面白い。
場をメタに見る。キャラをメタに考える。
息をするごときに、あたりまえなふだんの思考形式がここにある。表現が染み入る。

一部でこの作品に関して不評を聞いているが、
物語をこしらえ慣れていない人には、この語りの形式はむやみに煩瑣でうざいだけなのかもしれない、
などと思う。
話は お江戸の妖怪語り(江戸末期)なのだが、
はなからとても”往年のSF”臭を感じる。
小僧のありようは、1960年代の [ ヒューゴー賞 ]か [ ネビュラ賞 ]がらみSF短編を思い出させる。
宇宙から飛来した地球外生命体。
出会ったA少年が「ボールだ」と思うと、地球外生命体であった「それ」は「それ」の意に関わらず、意に反して、ボールになってしまう、ボールにされてしまう。
出会った人々が「A少年だ」と思うと、地球外生命体であった「それ」は「それ」の意に関わらず、意に反して、A少年になってしまう、A少年にされてしまう。
で、もともとのA少年は、宇宙から飛来した地球外生命体の宇宙船に乗り込み、宇宙に旅立っていってしまう。
残された元地球外生命体は、出会う人々の一方的な認識によって「A少年」にされたまま、「A少年」という存在概念に縛り込まれたまま、地球上で「ぼくはA少年じゃない」「ぼくのことをA少年だと想念するな」と「A少年の姿で」叫びながら.......
言霊縛り。
シニフィアンとシニフィエ。
我思う、ゆえに汝あり。
装丁造本もキュート。
ノンブル対面の極小タイトル活字が私的にツボ。
(どこかに少し水っぽさがほしかったかな/「どすこい」ほどの滴りが欲しいわけではないが)
京極夏彦による”モノとコト”講釈は下記書籍でも読める。
「怪異学の技法」 東アジア恠異学会編 臨川書店 2003/11
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