動物たちの自然健康法
![]() 「動物たちの自然健康法 野生の知恵に学ぶ」 シンディ・エンジェル著 羽田節子訳 紀伊国屋書店 2003/11 [ Amazon ] [bk1] |
ホーリズム方面にウケそう。アンドリュー・ワイルとかちょうど来日してたし。
動物で観察される”健康維持・健康改善効果のあるらしい”行動をさまざま列挙。
しいては人間に演繹し、 進化医学方面の研究にも言及。
冒頭で”野生動物がどのようにして健康を保っているかの科学的研究はほとんどなされてきていなかった”と強調。
お〜い、前書きに載っている著者サイトのURLにアクセスするとポルノサイトに飛ぶぞ。(;_;)
もひとつ。表紙カバーの著者名が間違ってる! Cindy Angelではなく正しくはEngel。
後半、マハレのチンパンジーをはじめとする霊長類の食膳に頁をさいてある。
京大の西田利貞らの研究はテレビでも何度か紹介されているが、ざらざらトゲトゲ葉のマジックテープ効果(寄生虫を引っかけて排泄)はマイケル・ハフマンが見出したものだとのこと(p.199)。調べてみるとこれ京大の Huffman, Michael A.。
土を食べる習俗を持つ人々、炭を食べていたネアンデルタール人、など、人類&ホミニッドの食膳話も出てくる。
動物のアルコール摂取、麻薬(幻覚植物や興奮剤)摂取の話も面白い。
精神病の項目では、人間のPSTDや鬱状態は、動物の”フリーズ”(状況変化をひたすら待つ戦略)につながるものではないかとの推察が記されている。
例示はとにかく豊富で、かなりエグい話も出てくる。
カルシウムを求めて、生きているヒナ鳥の足の「骨だけ」を引き抜いて食う(鳥は生殺し)ヒツジや、荒野の骸骨をかじり食うラクダ。

各所でロナルド・シーゲルが引用・援用されているんだけど、私が名を知っているロナルド・シーゲルは下記の本の著者。同一人物でいいのかな。原注が調べにくい体裁だ…。
「パラノイアに憑かれた人々:上 ヒトラーの脳との対話」ロナルド・シーゲル著 草思社 2001年(1994)
「パラノイアに憑かれた人々:下 蟲の群が襲ってくる」 ロナルド・シーゲル著 草思社 2001年(1994)
「幻覚脳の世界:薬物から臨死まで」ロナルド・K.シーゲル著 青土社 2000年(1992/Siegel, FIRE IN THE BRAIN)
「病気はなぜ、あるのか」の著者名ランドルフ・N・ネシーがランドルフ・ネスになっていた。訳者は邦訳書データを参照しているはずなので、敢えて異なる発音表記にするってのは…訳者ごとにこだわりはあるんだろうけれどむやみに検索しづらくなるだけなのでやめてほしいところ。
羽田さんの訳はとても読みやすいので好きなんですが。
※ 土や人肉をはじめとして、人類が食べるさまざまな品物↓
[ 愛の林檎と燻製の猿と禁じられた食べものたち ]
「タブーの謎を解く:食と性の文化学」 山内昶(ひさし)著 ちくま新書 1996年
へぇボタン:へぇ〜
と押してみるもよし
| 固定リンク








コメント
私も興味深く読みました。脳意識の本としてはマニアックな部類に属するのでしょうか。トラバ送信しました。
投稿: CAN | 2005.12.04 22:26
のんべの野生ゾウは実在しますか?
どうやらそれって「都市伝説」のたぐいらしいぞ
2005/12 National Geographic Elephants Drunk in the Wild? Scientists Put the Myth to Rest
http://news.nationalgeographic.org/news/2005/12/1219_051219_drunk_elephant.html
ええええ、 『動物たちの自然健康法』 にも「ゾウは発酵した果実で酔っぱらう」話が紹介されていたのに…
『動物たちの自然健康法』 p.220
> ロナルド・シーゲルは、野生ゾウの酒好きが、密漁者や観光客による
>ストレスにたいする自己治療なのかどうかを調べた。カリフォルニア動
>物保護区でアフリカゾウの小群に、社会条件を変えて、匂いのついてい
>ない七パーセントアルコールを無制限にあたえた。ゾウたちはすぐにか
>なりの量のアルコールを飲み、まもなくふらふらとよろめいた。
投稿: amasaki | 2005.12.20 22:39