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2004.02.19

遺伝子ドーピングで「筋肉ネズミ」

遺伝子ドーピングで「筋肉ネズミ」成功 人体への応用も
2004/02 ▲日本語記事  asahi.com : サイエンス
2004/02  BBC News Athlete cheats seek genetic boost
2004/02  EurekAlert Athletics, genetic enhancement and ethics
2004/02  New Scientist Study raises fears of genetically modified athletes

 今週は「the Annual Meeting of the American Association for the Advancement of Science (AAAS)」の話題がいろいろ流れているけれど、その中で一番巷ウケしているのはこれなのかな。

Slashdot.comのブログ:遺伝子治療で造られたチョーなネズミ
2004/02  Slashdot | Gene Therapy Creates Strong Super-Rats
   ↑
 上のブログではいきなり遺伝子ドーピングを「ウルヴァリンもどき」扱いして盛り上がってたりします。いかにもオタクサイトっぽくてよろしいようで。
  知らない人はこちらへ→ ウルヴァリン@ホークの『やつらか俺たちか』

 しかし「スーパーマウス」な話はこれが初めてではない。
 過去何度か遺伝子組み換えの「すごいネズミ」な報道は流れているわけで、そのときは 「マイティマウス」と呼ばれていたりしたわけで。

挿画

マイティマウスの作り方  成長をコントロールするミオスタチン
 ノックアウトではなくさまざまな段階の遺伝子ブロックで操作
2001/07  UniSci Mighty Mice Manufactured Minus Missing Myostatin
筋肉もりもりマイティマウスを作りました  筋肉の成長に関与する遺伝子一個を操作
2001/12  Los Angeles Times 'Mighty Mouse' Gene Identified
遺伝子組み替え、持久性の「マイティマウス」ができた
2002/08 cnn.co.jp

 ん?
 マイティマウスは遺伝子操作以前のレトロキャラだけど、ウルヴァリンは今回のと同じベクターウィルス使いの遺伝子ドーピング(遺伝子治療)で改造されたミュータントだったっけか???

 それにしても、この盛り上がりはハナから「人体への遺伝子ドーピング」に話をつなげてAAASで話題提供&報道されたせいか。
 当の研究者は、問い合わせの電子メール半数は筋難病の家族からであと半数はアスリート達からだったとおっしゃっている。
 今年はオリンピックの年だしなぁ。AAASで取り上げられなかったら事態はなおさらひそやかに進行しえていたのかもしれない。

過去の遺伝子ドーピング関連記事:
 
2002/07 Royal Society of Chemistry Playing the gene game
遺伝子決定論非難に悩む運動能力遺伝子研究者のお言葉
 運動能力遺伝要因の研究は害(遺伝子ドーピング)より益(一般的健康増進)のほうが大きいでしょう
遺伝子ドーピング
2002/05 Financial Times Gene doping threatens to transform sport
遺伝子ドーピングの時代がやってくる
2002/03 BBC News Sport's genetic engineering concerns
より大きく、より速く、より強く! 遺伝子ドーピング問題
2003/02 University of California Bigger, Faster, Stronger: Genetic Enhancement and Athletics
2001/12 BioMedNet News  Sports genes are not 'frivolous' quest
遺伝子ドーピングに警戒せよ@2012年のオリンピック
2001/11 BBC News Scientists warn of 'super athletes'
2001/11 Ananova Gene cheats could become super-athletes
五輪=IOC、遺伝子ドーピングの濫用防止に動く
2001/06 ヤフージャパン(ロイター)

ライン

 アスリートの大半は良い成績を得て成果を極められるのであれば、少々寿命が縮もうが気にしないというデータがある。
 ことさらデータと言わずとも、そんなもんだが。

 このやたらな名誉欲ってのはさほどに進化的に適応的なんでしょうか。
 繁殖適齢期の人気獲得に血道をあげる性質を持っている個体はいきおい繁殖しやすく、繁殖に縁が薄くなる年齢(高齢時)の健康までは遺伝的に保証されない。あさましいナリユキなのであった。(進化医学

そういえば、Paul Okami氏がなんかいきなし進化心理学のML
「ブッダは、全ての不幸と苦しみは欲にしがみつくことから来るのだと見抜いた。まさに賢察だと思う。」
みたいなこと書いていたけど、やっぱ 進化心理学 かじってるとどっかこっかこう思いたくなるものか。

挿画

 ギャンブルに敢えて飛びつく人々&欲。

 遺伝子ドーピング(遺伝子治療)は、 去年も複数の小児患者に「白血病を引き起こした」と大騒ぎになっていた。
 遺伝子の複合作用がどう出るか、まだまだ人知を越えているというか、逐次倫理審査などを経なければ許可の出ない(少なくとも日本では)施療なようだし、入れた遺伝子が思わぬ作用を引き起こしかねない、クローンよろしく現状ではかなりギャンブルなレベル。
 今回の骨格筋増強にしても、たかだかネズミ実験段階でちょいとできましたという話でしかないのであって。

キルト

ついでに。
 同じ手法が、病気を治すときには「遺伝子治療」と呼ばれ、過剰な人体改造をほどこす際には「遺伝子ドーピング」と称される。
 ひるがえって、生殖技術では過剰な人体施療をほどこす際に、「妊娠用整形」とか「受胎加療」とか言わずに、なぜかはなからビョーキ扱いで「不妊治療」と称している。
 ん? 変だと思わない? そうかな。

左◆表紙
『ゲノム研究が開く未来』

 サイエンティフィック・アメリカン編
 日本経済新聞社 2005/07


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情報庫: 遺伝子治療

メタル


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