ティッピング・ポイント?
![]() 「ティッピング・ポイント いかにして「小さな変化」が「大きな変化」を生み出すか」 マルコム・グラッドウェル著 飛鳥新社 2000年 [ Amazon ] [bk1] |
4年もたつともう古い本なのかな。
2001年の「インターネットは民主主義の敵か」を読んで気になったので取り寄せてみたのだけれど、なんかとりとめなくいまいちだった。
”ティッピング・ポイント”というキャッチフレーズはキャッチーでちょいと感染力のあるミームといった感じか。
とある情報と、その伝達のツボを押せば、その情報は労しなくともあっという間に世間に広まるよ、そのツボ:情報伝達の波を作るコツ:情報伝播の傾きを”ティッピング・ポイント”と称してみましたよと。
情報通=メイヴン
複数分野のコネ持ち=コネクター
説得広報上手=セールスマン
新奇好き冒険者=イノヴェーター
一般ウケ用に変換する=翻訳者
とかポジションを設定して名を付けるってのはわかりやすくていい。(この行為自体、翻訳者の役割?)

イノヴェーターがこしらえたヘンテコを情報通が拾いコネクターが適切な場所に配って翻訳者がイケる情報に変換しセールスマンが盛り上げる。 ってか。
つい自分はどこだろうか、ソレに該当するのは誰だろうか、とか探しちゃったり。(占いの自己暗示や 自己成就効果もゴーゴー)
そのあたりまではいいんだが、思いつきで”ティッピング・ポイント”と称してみただけなんだろうか、それとも当時は研究が固まっておらずパイオニア的な情報収集だったということなんだろうか、あとこの本の中に並ぶのはかなり雑多な「社会心理・集団心理と情報伝播に関係しそうなことどもあれもこれも」の列挙。
”ティッピング・ポイント”ったって、これ命名したら妖怪ができる、みたいなもんでそれこそ 豆腐小僧 とどう違うのよ、円運動するものに名前を付けてみたらみごとすべて「渦」として知覚認識されるようになりましたよ、みたいな気が。
マクリントックのような「枢要なパターンを見出した」ケースと比較したら酷か。
著者はビジネス関係のライターもしているらしく、はなから商売や企業戦略に結びつけて話を持っていこうとするのもハナについてヤな感じ。
で、意外にもこの本の後半、雑多列挙の中進化心理学が登場する。それもかなりテキトーな形で。
研究者の名前は間違っているわ(これは訳者がわるいんだろう)、 4枚カード問題がなぜか”性格認知(根本的属性認識錯誤)”の論拠として披露されているわ、大丈夫か?
ロビン・ダンバーの マキャベリ的知能仮説 な話も登場する。 ん? ダンバーの論には「150の法則」って確固たる名前がついているのか? 「魔法の数字」とか称しているところもあるな。妙な膾炙…。
あと雑多に、セサミストリート開発における児童心理&認知研究や、「自殺の感染」現象、終章近くでは青少年の「喫煙感染」についての行動伝播考察なんかも登場する。
当該書の一部に関連するエントリ 「自殺は感染する」
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