うつ病進化と抗鬱剤ネズミ
動物が自分で「良さそうな食餌」を選ぶ、その例は 『動物たちの自然健康法』にたくさん挙がっている。
ニワトリが必要に応じてビタミン剤入りのエサを選んだり、腹の虫がうざいときにチンパンジーが虫下しを選んで呑んだり。
2004/02 日本語記事 もっと知りたい、走り回りたい マウスの福祉を向上させて実験データの質を高める試み ネイチャーバイオニュース
>走り回って、探検する機会を与えられないマウスは、
>抗うつ剤に手を出す傾向もあるようだ
2004/02 ★Curious mice need room to run Nature Science Update
Lab mice like a little extra space and a cage with a few frills.
新しいものを求めて行動する性向、これは新奇性追求とか新奇探索傾向とか称されて研究されている。

マウスの好奇心に関しては、なにぶん繁殖力が強い動物なので「新しいテリトリーや新しいエサ場を見つけに行きたい」欲求が低い個体はうかうかしているうちに淘汰されてしまい、「おらおらおらなんか新しいことないんかい!」とせわしなくうろつくような血筋が多く残ってきた、そんな経緯で強い新奇探索傾向を引きずっているんでしょう。
「目新しいものを求めたい」が必要な環境に適応してきた生き物(ネズミ)を突然「目新しいものはないよ、探さなくてもエサも繁殖も足りてるよ」な環境においてしまうと、これ「良かれと思って」であっても、欲求が満たされずにストレスになったりするんでしょう。

で、ストレス。
こないだの『動物たちの自然健康法』には
人間のPSTDや鬱状態は、動物の”フリーズ”
(状況変化をひたすら待つ戦略)につながるものではないか
との 推察が記されていた。
「真昼の悪魔」に挙がっていた説の中では
・適切でない路線を変更するための機能
に該当するのかな。
具合の悪い環境に置かれ、当面そこから抜け出すすべがない場合、極力無駄なエネルギー消費を減らしてひたすら状況変化を待つ、そんな感じになる性質があると進化上おりおり適応的だったりしたのでいきおい「うつ状態に陥る」性向が進化してきたのだろう、と。
ということは、「環境状況が変化改善する兆しがあるよ、わらわら変化しているよ」な場に置かれるとうつ病が減るってことがありえるわけだよね?
「祭は死を遠ざける」
「病気はなぜ、あるのか」にもうつ病の進化精神医学な話があったと思うけれど内容失念。
お、便利なことに要約してくれているページがありました。
進化の視点からみた病気:病気はなぜあるのか 小山高正
>抑うつが本当に消えるのは、その人が
>長く追求していた目的を完全にあきらめ、
>自分のエネルギーを別の方向に向ける
>ようになったとき
不況で自殺が増えてお困りの皆様、お祭りでうつ病や自殺を減らせますよ。はまだいいとして、同時に災害や戦争を企画すると衆生のうつ病や自殺を減らせますよというなんかヤバげ〜なネタひねりにもなってしまいそうな。

進化精神医学は世の中にとって有益ですか?攪乱の種ですか?
「真昼の悪魔」では、著者はうつ病の進化的由来を明らかにすることは、病か病でないかの境界が曖昧なこの病気の治療指針の決定に有用であろうと結んでいた。

ついでに。
実験動物の飼育環境を考える記事は これまでにもいくつか流れているので参考までに以下。
実験動物の飼育環境によっては実験結果に深刻な影響
自然環境に近い状態で飼育できるか
2003/05 ★ The Scientist Vol.17 Issue 9 Creature Comforts
檻の中で精神に異常をきたす実験動物たち
環境刺激が単純すぎて、脳配線が違ってしまいうる
動物実験結果を見直したほうがいいかも
2001/08 ★ Ananova Mad lab rats may invalidate some experiments.
2001/08 ★ Guardian Cage life may drive lab animals so insane thatexperiments are invalid

こんな記事もあった。
猫と飼い主に平安をもたらす、猫用抗鬱剤の臨床試験開始
2002/03 日本語記事 ★ ワイアードジャパン
部屋飼いの動物の精神保健。
するとこんな記事も思いだしてしまう私。
アン王女の飼い犬が精神科治療 英国
2004/01 日本語記事 ★ 中央日報@韓国
へぇボタン:へぇ〜
と押してみるもよし情報庫: 動物と人間の関わり・動物実験問題 ストレス 進化心理学

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