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2004.03.28

ひきこもり vs 価値観

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「ひきこもる若者たち
 「ひきこもり」の実態と処方箋」

 町沢静夫著
 大和書房 2003/11

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  ↑ ”日本人は日本は”云々の社会的解釈がうざい。
  パターナリズムの匂い。トップダウンな型ハメの優先を感じる。
 ダメな本、とまでは言わないけれど、問題解決のためにこの本を優先して読むべきか、と問われると私は勧めない。

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「ひきこもり救出マニュアル」

 斎藤
 PHP研究所 2002
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  ↑ 町沢著がトップダウンだとしたら、こちら斎藤著はボトムアップ。
 マニュアルとして現場に即しており、EBMみたいな感じ?
 理屈で大上段に構えるのではなく、種々のケースの経験の積み重ねから語られる具体性が逐次当事者の心的助けによさそう。

クール

町沢著斎藤著の評判は巷ではどうなのか。
 かなり言っていることが違う部分があったりして、読み合わせると少なからず混乱するかもしれない。育児理論書などでよく見られる流派の違いみたいな。

相談機関:
 町沢著_保健所を勧めていない
 斎藤著_保健所で病院を勧めてもらう手段が簡便だとする
回避性人格障害:
 町沢著_ひきこもりを人格障害の各カテゴリーにはめ解釈することに躊躇がない
 斎藤著_何より「本人が葛藤している」ことを根拠に人格障害等の型ハメに疑義を呈する
インターネット:
 町沢著_パソコンを与えるのは良し悪し、プラマイゼロとする
 斎藤著_ネット参加を奨励する

クール

 以下、斎藤著がらみで。
 しょっぱなp.43で イアン・ハッキングを出すところは的確。もう少し詳しく印象に残るように記しておいてくれても、とは思うけど。

  ↓ ここも至言。

p.61
 しかし私がそうした批判に与/くみ/しないのは、まず第一に、価値判断は精神科医の仕事ではないという理由からです。つまり、われわれは他人様/ひとさま/に「いかに生きるべきか」などと説く立場ではありません。

 価値判断を説く立場ではない。
 そう。
右画
 「救う」ことを旨とするならば、 自分の側に救うことは是ではない。
 自分の価値観に照らし合わせてどんなに間違っていそうであっても、その場その相で「救い」になるのであれば、それは「救い」なのである。自分の価値観で「それは危ない」「それはおかしい」「それは間違っている」と思って「救う」行為をなすのであれば、それは相手を救っているのではなく自分を救っているに過ぎないパターナリズム、よけいなお世話。やるなら「自分のためだが」と腹をくくってやれ。

 極端に言えば、自殺、犯罪、殺人、これらの行為も「救い」たりうることがありえる。
 が、施療者がこれを「救い」として許容することはできない。容認したら施療者は施療者としての資格を剥奪される、施療者として社会に認めてもらえなくなる、存在できない。
 ゆえに社会的に認められている施療者は、たといそれが最善の策であろうとも、「自分の都合で自殺や犯罪を救済としては認めえない」という絶対的なハードル、パターナリズムを抱えている。
 本来、死も犯罪も「救済」の中にチョイスとしてあり得るもの。
 そこを、救う側の都合で、患者側の解決を優先するのではなく自分の側のパターナリズムで、オミットする。
 イイコよろしく「死も犯罪もデフォルトでダメじゃん」と露も疑っていないような相対視点欠落な施療者は、巷的社会的にはええ人なのかもしれないが、TPOでかなり迷惑たりうる。

挿画

 もうひとつ、施療者は「施療する」ことで成り立っている。
 「施療しない」選択肢を取りにくい立場にいる。

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The Right to Refuse Mental Health Treatment

(Law and Public Policy : Psychology and the Social Sciences)
(心の治療を拒否する権利)
 by Bruce J. Winick
 Hardcover (1997/03)

 治療の拒否選択。 拒否する権利。
 公共政策と法。
 日本でこの点を考察したものはどこかにあるだろうか。

  → 「心の病治療のインフォームドコンセント」


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情報庫: ひきこもり  精神保健   父親温情主義


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コメント

ここで話題になってますね
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20040329

投稿: トリビア | 2004.03.31 08:18

う”、本そのものを見ずに伝聞で勝手に推察が広がっていく様は、伝言ゲームやデマ伝播みたいで恐いですね。
 ここも↓
http://d.hatena.ne.jp/matuwa/20040330

投稿: 雨崎良未 | 2004.04.01 08:14

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