糞の力 クソマルの神話学
![]() 「クソマルの神話学」 東ゆみこ著 青土社 2003/09 |
月刊『現代思想』で読んだ元論文がとても面白かったので楽しみにしていた一冊。
万葉集に登場するクソの在りようから、古代は今とはクソ観が異なっていたのではないかと考察検証していく。
天つ罪、 国つ罪。
食と領有の同一視。ハニとクソの同一視。
ハニの移動がすなわち領有権の移動をあらわす。
「刀自」が表す対象の再考。
カワヤで行われたと見なしうる婚姻。
男女で反転しうるクソ力。
トリックスターとしてのスサノヲ、古代のエピステーメー、歴史相対主義、読んでいて興味津々と同時に、
進化医学的にクソは非ケガレたりうるのかな、まぁ構造転換でどうにでもなるか、強い忌避ほど同時に強い力たりうるし
漱石んちに入ってうんちをした泥棒の話はちょっとよけいだったんじゃないだろうか、ツカミにはいいとしてもこれまで流れに含めて論じると飛躍の印象で損するような
などなど思ったり。

しかし、こうしてみると、思考の流れは小説などの物語の作法にかなり近いものを感じる。
民俗学上の推理と、物語創作との違いは何か。紙一重か。腑に落ちればそれがその場の真実として浮上する?
とてもイキのいい研究で小気味よい。
どんどん行こう。どんどん異なる相の新しい物語を編み出そう。今を補強還元するのではなく多層多様に向ける方向へ。
民俗学、古代史、日本の初期古典などに興味がある人は目を通しておくと吉。
それにしても 日本霊異記研究 で見られた国文学と民俗学の壁、いまだになんかうらめしいぞ。横断的学際的に行こうよねぇ。
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