稲生モノノケ大全 漫画つき
化かし化かされ編み編まれ。
![]() 「稲生モノノケ大全 陰之巻」 東雅夫編 毎日新聞社 2003/09 [ Amazon ] [bk1] |
いや、届いた本を見てびっくりしゃっくり。
でかい。
厚さ5.5cm、756ページ。
中身は 『稲生物怪録』の古今東西バリエーションがびっしりと。
『稲生物怪録』については 『怪』5号 にいろいろ記してあったので予備知識はあったけれど、いやまさかこのような本を編みうるとは。それもこんなメジャー版元から。
冒頭にカラーで「稲生物怪録絵巻」(堀田本)を収録。
テキストのトップバッターは『怪』に掲載されていた京極夏彦筆”稲生物怪録の現代語訳”。
p.16、人間は16歳で魂が**になる、というくだりは 子どもの脳はこんなにたいへん! を想起するけれど。
ほかに
・現代語訳
平田本 稲生物怪録(須永朝彦)
鞍馬天狗(別役実)
・講談 稲生武太夫(神田伯龍)
・小説戯曲紀行
平太郎化物日記(巌谷小波)
草迷宮(泉鏡花)
魔王物語(田中貢太郎)
懐かしの七月(稲垣足穂)
百鬼夜行(柄沢斉)
ときてここでいきなり
・漫画 八百八だぬき(杉浦茂)
が入る。100ページ近い 杉浦氏ならではの怪作で、ビミョーにトクした気分。
さらにもろもろ、資料編として、
根岸鎮衛、三好想山、進藤壽伯、小川白山、井上円了、宮地水位、折口信夫、都築要、及川大渓、宮田登、卯山与史武、柏正甫、各々のテキスト、そしてご当人稲生平太郎の原典がならぶ。
一つの主題がどう変化変遷し人口に膾炙していくのか。
有袋類の進化変異とか、ヒラタシデムシの個体変異とかを見ているようで気分はちょっぴり ミーム学。
本書は陰・陽の2巻構成で成るものとのこと。
陽之巻には何が収録されるのか
なお、稲生物怪録とは何なのか、初耳なお方はまず『怪』の稲生物怪録特集をお読みになるなどして予備知識を蓄えてからこの本をご覧になったほうが堪能しやすいと思う。いかんせん資料集という体裁だし、特に興味が濃いというお方以外はなかなか楽しみにくいしろものではある。(京極ファン、杉浦ファンに関してはその限りにあらず)
古今の種々の資料テキストを集めたアンソロジーといえば、
シリーズ「怪異の民俗学」 小松和彦責任編集 河出書房新社
シリーズ「史話・日本の古代」 作品社
『男色の民俗学』 礫川全次編 歴史民俗学資料叢書 批評社
などもそのような形式で面白かった。
こういう資料集みたいな体裁の本って世の中には多いのかな。
私的にはあまり接したことはないのでよくわからないけれど、古典・古代史研究とかではよくある?
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