ポリネシアマイマイの悲運
ポリネシアの61種中、すでに56種が絶滅!
ダーウィンフィンチ並みに重要だったカタツムリたち
アメリカから移入された肉食マイマイ:ヤマヒタチオビガイが食害
2003/04 New Scientist End of the trail for Polynesia's star snails
この顛末は下記の本に詳しい。
![]() 「放浪するアリ 生物学的侵入をとく」 ベルンハルト・ケーゲル著 新評論 2001年(原書1999) [ Amazon ] [bk1] |
ダーウィンフィンチはガラパゴス諸島に分布している小鳥で、島や環境によって各々くちばしの形などが異なっていること、さらには気候変動や生態系変動で刻々年々形態の分布に変化が見られることから、ダーウィンの進化理論を生きて証明する貴重な生物の代表になっている。
ポリネシアマイマイはポリネシアの各島々に分布していたさまざまな形態色彩のカタツムリの総称。
冒頭の記事にあるように、少なくとも61種類(「放浪するアリ」では65種類)ものバリエーションが確認されていた。
が、食用として導入され野生化したアフリカマイマイをやっつけるために導入された「アメリカの肉食マイマイ、ヤマヒタチオビガイ」が、肝心のアフリカマイマイを食わずに、どんどん地元の希少なカタツムリを食いつくしはじめてくれた。
絶えた種は甦らない。
外来種導入の、目も当てられない悲惨な誤算。
きらぼしのごときポリネシアマイマイの系譜は、遺伝子研究が熟す前に壊滅的に失われてしまった。
が。 先日下記のようなニュースが。
ミシガン大の冷凍庫にサンプルが!
2004/04 EurekAlert Long-forgotten samples may help save species
”目も当てられないほど悲惨な結果に至った生物学的コントロール計画の犠牲者”の遺体が、忘れ去られたまま保存されていたと。
研究にはいいだろう。でも万一甦らせるようなことができたとしても、彼らが棲息できる野生はもう残ってはいない。現存するポリネシアマイマイにしても、もう飼育下でしか存続していくことはできないだろうと言われている。
失われたものは戻らない。
島の生態系、隔絶地の生態系はあまりに脆弱、脆性が高い。
わずかな侵襲が破壊的なダメージに至りうる。
「放浪するアリ」には、蛇の侵入によって「森林に棲む鳥がほとんどすべて死に絶えた」グアム島の話も登場する。
島の生態系に関しては「放浪するアリ」に加えて下記の書籍もおすすめ。
島の生物地理学、絶滅曲線、面積効果と平衡理論など、保全と地区面積の関係について興味深い話がたくさん挙がっている。
![]()
「ドードーの歌:美しい世界の島々からの警鐘」 上巻 下巻 ディヴィッド・クォメン著 河出書房新社 1997(原書1996)
p.602
・大きい保護区は小さい保護区よりも多くの種の平衡レベルを維持できる。
・他の保護区に近い保護区は遠い保護区よりも多くの種を維持できる。
・稀薄ながらたがいに関係のある - あるいは少なくとも近接する - 保護区のグループは、接点のない、あるいは一列に並んだ保護区のグループよりも多くの種を支えることができる。
・細長い保護区よりも円形の保護区のほうが多くの種を維持できる。
なお、「少々の絶滅など気にすることはない」と述べる怪書 ロンボルグ 本もあるのでご参考までに。
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