環境人類学を学ぶ人のために
熱いぞ。オススメ。
「環境人類学を学ぶ人のために」
パトリシア・K.タウンゼンド著
世界思想社 2004/02
原書:2000 / ENVIRONMENTAL ANTHROPOLOGY: From Pigs to Policies
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ロンボルグ本 では
プラマイを考えたら多少の多様性減少&種の絶滅はしかたない
のような見解が記されていたけれど、その手の表現には
多様性は減少したほうが扱いやすくなるので便利
という誤解がまとわりつくような気がしているのだが。
人間の頭は複雑なものを複雑なまま扱うことが下手くそ。
多様性が減少して画一化っぽくなると、「ものごとが単純化された」「頭で扱いやすくなった」と勘違いするのか、歓迎するむきがなきにしもあらず。

でも生態系の画一化はかえって危ない。
多様な生態系もデリケートで壊れやすいんだけれど、開発され壊されたはての画一化されたような生態系は、疫病で突然大規模に崩壊してしまう危険性が高くなる。生態系は多様なほうが疫病には強い。
加えて。人々の思考体系が画一化されると、多様な知恵視点が失われるばかりかカスケード効果も加わり大規模な崩壊を招く危険性が高くなる。 「言語消滅=思考の貧弱画一化」 を見てくれ。
文化人類学に何ができるか、環境保護や施策において文化人類学を見ておくとどんな利点がありえるか、環境人類学の歴史(まだ浅い、半世紀程度)も含めいろいろ紹介されている。(医療人類学、応用人類学、文化生態学、民族生態学、人類学的言語学、政治生態学などなど亜種変種分岐はさまざまあるようで)
●文化における進化の概念
●自然と文化が対立するものだと見なすのは 自文化中心主義的偏向
●地元の知恵をないがしろにした環境保護は机上の空論
●ラパポートのカイコ儀礼研究事例@ニューギニア:ハレ消費と生態系
●狩猟社会、首長制社会、国家制社会と生態系
●インドネシアにおける農業用水管理と地元宗教の適応性
●鉱山開発による地元の変容、そして先住民の権利問題
●極北地域における狩猟とリスク
●マヤ地域における人口と環境の関係:マヤ文明崩壊の謎
● 伝統的医薬(+薬草)と先住民の権利
● エコロジカル・フットプリント
さらなる情報を求める人のために、訳者側で参考文献紹介(読書案内)を添えてくれている。
特に、フィールドワーク(現地調査)と温故知新が欠け落ちがちなバイオ従事者には見ておいて欲しい分野。
なまはんかなバイオ技術じゃ世の中通用しない。
ぜひ一読どうぞ。
ローカル・タブーを守って海を救え
地元民俗の知恵を生かせば生態系を保護できる
調査データの少ないメラネシア、いやましに危惧される環境破壊
2004/04 Local taboos could save the seas New Scientist
※ 日本古事記の 天つ罪、 国つ罪も、環境人類学の線で考察するとそれなりに面白い。
追記:
2008/06 【日本語記事】Science ユッカマウンテンに試験的核廃棄施設をつくる必要性
Open Yucca Mountain Pilot Site, Authors Argue
高濃度放射性廃棄物(HLW)
今こそネバダ州ユッカマウンテンの試験的貯蔵回収施設計画を前向きに進めるとき
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と押してみるもよし
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