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2004.04.28

犬の科学とニュースはこちら

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「犬の科学
 ほんとうの性格・行動・歴史を知る」

 スティーブン・ブディアンスキー著
 築地書館 2004/02

(原書:2000/The Truth About Dogs)
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「ペットの飼い方」みたいな本は最近とんと読んでいないので、その方面で流れがどうなっているのかあまり知らないが、とりあえずこの本、中身はイヌの進化心理学みたいな。
 随所に辛味も効いていたりして、語り口はかなりおいしくうまい。
 楽しめます。

●画遺伝子解析による犬研究。
 犬が見た目多様になったのは極めて最近のこと。
 ついこないだまでワンコさんはみいんな雑種だったと。
 最近ではこんな報道もあったし↓

最古の飼い犬? 14000年前@ロシアBryansk地方
2003/05  Earliest Domesticated Dogs Uncovered Discovery 
 ・
世界のイヌの共通祖先は東アジアのオオカミ
2002/11  Dogs 'evolved from handful of wolves' New Scientist 
2002/11  Once big bad wolf, now man's best friend: Science studies trace dogs' origins EurekAlert! 
2002/11  World's dogs are descended from Asian wolves Ananova

●画純粋種信仰=優生学の引きずり
 人間ってどうしてこう過剰にカタログやブランドや分類が大好きなんでしょうね

 犬のいろいろな種類は、人間が「こんな仕事をする犬が欲しい」と選び出したのではなく、たいていは「それぞれの犬の特徴にあった仕事を人間が与えただけ」なのだ、とのこと

●画犬の性質は、古来の行動様式がくちゃくちゃに壊れたものであって、狼社会では通用しないしろもの。
 狼を引き合いに出して行動説明するのは、もはや時代遅れ。

●画尿によるマーキングはナワバリの「境界」ではなく、ナワバリの「中」ならどこにでも。

●人間の言語は情報授受に適するように、警戒感情誘発音と和解感情誘発音を組み合わせたニュートラルな音(=子音と母音の組み合わせ)を用いている、という説が挙げられているがこれどうなの?(p.124)
 ちょうど2000年頃に↓のような記事が流れていたけど、当時ひとしきりそんな説が流布していたとか?

ドイツ人の愛想の悪さはドイツ語のせい?
ドイツ語の発音には人を不快にさせる音が含まれている
2000/08  CHICAGO SUN-TIMES  Germans' sour faces blamed on language

●画動物の頭の良さを「測り間違えた」面白い例もいろいろ。
 学習実験の中で「猿たちは貨車一台ぶんほどのチョコレートのワイロを受け取った」という表現は好きだぞ。

●犬の「行動遺伝」な話もあり。

 で、「生得的解発機構」から五感から順位確認から、いろいろな犬の性質について説明すると同時に、それなりにそれらの理解・解釈が困難であることも記している。

犬が人間と折り合いをつけるのに使える知的手段は、犬が進化する過程でほかの犬とつき合うために用意されたものだけであり、それ以外には持ち合わせていない。裏を返すと、人間は、犬がもともと持っている社会行動上の本能を、本来の目的からはずれた使い方をさせているのだ。(当該書p.213)

 これらの「科学的理解」は、日常知な素朴理解からは、かなりかけはなれている観点も含まれる。
 筆者はこの本が、擬人化解釈どろどろなペット溺愛者の反発を招くことは覚悟なさっている様子。

 まぁ、しょせんペットはペット、人間様が人間様の都合で勝手に愛玩するシロモノに過ぎない。
 そう考えるのであれば、科学的解釈など無視して好き勝手にペットセラピーななごみを楽しむのも良し。

 そうそう、進化心理学は人間の性質についてこの本のような「科学的」解釈をやってるんだと思ってくれれば。

●画原書は2000年。
 それ以降に流れたイヌ関連記事を以下いくつか。

飼い犬ってマジに飼い主に似てるじゃん
2004/03  Study claims dogs and their owners look alike... EurekAlert 
2004/03  Dogs do resemble their owners, finds study New Scientist
 
人為淘汰のたまもの
 どうしてイヌにはこんなにいろいろな形・サイズの種類があるの?
 犬と人の歴史、犬の発生学
2004/01  A Potpourri of Pooches NOVA 
 
犬バージョンの「氏か育ちか」  飼い方知識が足りないと問題犬に
 プードルとレトリバーは怯えやすい  都会の犬は田舎の犬より攻撃的
2003/03  Breed, Owners Determine Aggressive Dogs Discovery 
 
飼い犬は人間との暮らしに特化している
 より頭がいいはずのチンパンジーよりも人間の意図をくみ取るのがうまい
2004/02  Man's smartest friend Harvard Gazette 
 Domesticated dogs more adept at reading human signals than our close relative, the chimpanzee
 
犬はチンパンジーでさえできない芸当をやってのける
 ヒトの視線や指示対象を察知できる能力を持つ
2003/06  The dog's eyes have it BBC News 
 Clever canines can do something which not even our closest relative, the chimp, can manage.
 
察知力が研ぎ澄まされたオオカミ=イヌ
 狼よりはるかにヒトの意図を読むのがうまい犬たち
2003/05  Dogs Outdo Wolves at Reading Humans Discovery 
 
イヌとイヌの祖先を分かつもの ヒトの指示を読むことができる能力
2002/11  Human Gestures Fed Dogs' Domestication National Geographic  
 
石器時代人もペットは犬だった
 代々続いた共同生活によって人間の行動を理解できるようになった?
2002/12 【日本語記事】  ネイチャーバイオニュース


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情報庫: 動物と人間の関わり   動物行動



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