性病と言えば。世界の性行動
しつこく、 性病と言えば。(やや18禁?)
![]() 「人類学者の見る、聞く、語る:性と出会う」 松園万亀雄 責任編集 (須藤健一・菅原和孝・栗田博之・棚橋訓・山極寿一) 講談社 1996年 [ Amazon ] [bk1] 読みやすくてオススメ。 内容は各種民族の多様な性のあり方についてのあからさまな座談会。 前戯、体位、不倫、夜這い、精液の意味、家庭内暴力…。 |
世界各地の多様な例があまた雑多に挙げられているのを、ちょっと地方差文化差に興味があって自分で表組みして分類してみたことがある。
抜粋で少し並べてみると…
■アフリカ東部の農耕民グシイ
処女性には無頓着 レイプに近い
未婚の母をめとることは珍しくない 子沢山願望と社会福祉効果
未婚の母は出産能力証明済み
他人に対して夫婦の性的親和は示さない
7〜8歳からお医者さんごっこ インセストタブーは割礼前年齢は不問
男女対立は「敵の女」を略奪することがよくあった関係からか
妻は常に他氏族の出身
■南部アフリカ・カラハリのグイ(ブッシュマン)
妊娠中性交 精液を注入し続けないと胎児が大きくならない
不倫の子でも、自分の精液で大きくしてやる
婚外恋愛は普通 スワッピングも友好の証 愛人関係は秘密にしない
物事を隠さない 異性関係が多すぎるのはふしだら 代理夫もあり
■タヒチ
夜這い:夜中に男が忍び込み添い寝する、繰り返して合意があればOK
■ポリネシア
処女そのものを指す語はない
■ポリネシアのクック諸島のマンガイア社会
オセアニアで唯一婚外性交公認
夫が能力不足であれば妻が若い頃の恋人と浮気をしても大目に見る
■ポリネシアのクック社会(/ラトロンガ)
女性は13〜20歳までに最低2〜3人の男性経験 若い男性も女性経験平均10人以上
■ポリネシアのクック諸島の小島プカプカ
夜這いタンゴタンゴ:若人の間、男女平等 相手の家の近くに忍び待つか石投げ
会話したらOK 狩りの番屋で逢い引き
昼は女の子は男を避ける 夫婦争いはほとんどない
■ニューギニア
オセアニアの中でも例外的に性否定的な雰囲気を漂わせている地域
■ニューギニアのファス社会
一夫多妻 妻の数は婚資の量による 若い妻は再婚も そのぶん婚資も安くなる
兄嫁を弟がめとることも多い そのぶん婚資も安くなる
処女や童貞を表す語が見あたらない
男が女の性的管理権を掌握 妻の不倫は半殺し
精液中心主義的男性観
男女対立は親族集団感の敵対関係の反映ではないか
年齢を数える習慣がない 適齢期は胸のふくらみで判断
結婚相手選択は親族集団に大きい発言力 婚資が親族集団単位
■ミクロネシア
処女概念がない インポの語が見あたらない
7〜10歳までに誰を性交渉相手にしてはいけないかがしっかり教えられる
■ミクロネシアのサタワルやトラックを中心とする中央カロリン諸島
思春期から結婚前は亭楽的な性に没頭していい時期
女20〜男25が婚期
夫長期不在の際には妻は夫方の実家で暮らす 夫の兄弟の一人と性交可
妻不在の場合妻の姉妹と夫が性交 オセアニアでもっとも強い親族関係は兄弟
母系社会なので不倫の子の問題はない
■ミクロネシアのサタワル
愛人は珍しくない 密会の発覚は大問題 一族全員が破産することも
まれびとを性的歓待することで有名
まれびと(見知らぬ来訪者)を忌避するか性的歓待するか。
処女性を尊ぶか出産実績を重んじるか。
集団外の人間との行き来が多い土地環境か否か、集団の規模、婚姻対象が敵対関係にある外部集団の成員か、さらには性病リスクが多い風土か否か、などなどがその土地の性的規範や風俗文化と相互作用することが考えられる。
島嶼(とうしょ)部と大陸、孤立少人数部族とシルクロード脇…。このあたりの比較考察が前から気になっているが。
性病ついでにこれ取り上げたけど、安定した(存続可能性の大きい)性的規範なくしては安定した集団生活も困難なもの。とはいえ、性病忌避に関しては、性病を性と関連させるくくりはさほど表には出てなくて(妊娠の原因を性行為と直結させてない文化もあるし)単に病徴忌避スティグマの進化心理に包括される程度のものかなぁ、とか。
まぁ、研究しづらい分野ではあるわな…。

あまり勉強にはならないけれど、こんな本もお酒の席などで楽しゅうございましょう。
『世界性生活大全 「愛」と「欲望」と「快楽」の宴』
桐生操著
文芸春秋 2004/06
処女をありがたがらない文化、古今の近親相姦、体位いろいろ…
性の雑学オンパレード。
へぇボタン:へぇ〜
と押してみるもよし追記:こんな本もあるよ
『体位の文化史』 アンナ・アルテール,ペリーヌ・シェルシェーヴ 作品社 (2006/06)
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