思春期の脳大混乱&工事中
![]() 「子どもの脳はこんなにたいへん! キレる10代を理解するために」 バーバラ・ストローチ著 早川書房 2004/01 (原書 2003/The Primal Teen) [ Amazon ] [bk1] |
世の親御さんは子どもが何歳頃のときに一番良く育児書をお読みになるのだろうか。
お子さんが中学くらいになると、育児書を読むとしても受験関係、性教育、非行とかかな?
ん? と思うような人はこの本を読むと吉。
ちょっと見た目装画で損をしているけれど、中身は最近の「若人の脳」研究をよく集めてある。
わかっていることわかっていないこと、分をわきまえて記してある。

思春期には脳が大幅に組み変わります。
トランスフォーマーが、よっこいせと、ひとさまの頭の中で大変身しちゃうようなもの。
どこの神経が複雑になって、どこの細胞が減って、どの成分が増えて、どのサイクルがずれてきて…
とにかく大工事が脳の中で行われるわけで、その最中も本人は普通に学校に行かなきゃなんなかったりして、いきおいお子さんの挙動も調子っぱずれになったりするんですよと。
「子どもの脳はこんなにたいへん!」 p.14
たしかにティーンエイジャーは、少しばかり頭がいかれている。だけどそれは、生まれたときからちゃんと設計図に書かれていることだ。あくまで予定どおりのいかれっぷりなのである。
お子さん@思春期本人も、読めることならこれ読んでおこうね。
自分がこれからどんなことになっていくのかわかって(よけいわからない?)ドキドキかも。
この本には、成長に従って脳がどのように変化していくのか、子の脳スキャン画像を逐次撮っておいてアルバムよろしく「成長したねぇ」とやっているほほえましい家族も登場します。
欲を言えば、あれこれ出てくる海馬やら視床下部やら前頭葉やらが、脳のどの位置にあるのか図示してあるとよりわかりやすかったかも。
関連過去記事:
青少年は不満足 ほうびに関与する脳部位が成人に比して不活発
2004/02 ★ EurekAlert Adolescent brains show reduced reward anticipation
2004/02 ★ New Scientist Teen brains show low motivation
・
中学生の頃に組み変わる脳 感情認知時間計測
2003/03 ★ Psychology Today Why Teens Are Moody
・
青少年の不安定さやキレやすさ
思春期の脳がバージョンアップ中だから
思春期に急成長する前頭葉前部皮質の神経網
2002/10 [ BBC News ] Teenage moods linked to mental activity
2002/10 [ EurekAlert! ] Teen angst rooted in busy brain
・
脳の認知能力が増減する思春期
2002/04 ★ EurekAlert! Brain undergoes gains and losses in cognitive abilities during adolescence
・
前頭葉の脳配線は思春期に大幅に組み換わる
2001/08 ★ Chicago Tribune THE TEEN BRAIN THEORY
・
思春期前の子供は男子と女子では顔認知や表情認識の脳担当部位が異なる
男子は右脳、女子は左脳で
2001/07 [ American Psychological Association ] PRE-PUBESCENT BOYS' AND GIRLS' BRAINS PROCESS FACES AND EXPRESSIONS DIFFERENTLY
2001/07 [ BBC News ] Women's 'brains work differently'
女子が左脳で顔認識を処理するのはそのほうが進化的に適応的だったから
2001/07 [ Ananova ] Female intuition is 'being better at reading faces'
・
思春期に起きる脳の配線組み替え
”思春期の生活行動が脳配線のデキを左右するかも”仮説
テレビゲームばかりの思春期をすごすとどんな脳配線になるのやら
2001/06 ★ washingtonpost.com Are Teens Just Wired That Way?
十代に脳味噌が大変化
2000/03 ★ WASHINGTON POST KEY BRAIN GROWTH GOES ON INTO TEENS

思春期の「スリル好き」について述べたくだりは、別エントリに独立させました。(2005/03記)
「リスク指向:若気のいたりは25才で一段落」

思春期にはなぜがメラトニン分泌の時間帯が数時間遅めになるとのこと。
メラトニンは眠気に関係がある。つまり「眠くなるのが遅くなる→夜ふかし」。
当該書「子どもの脳はこんなにたいへん!」では”体力のある若人が夜警をしたほうが適応的だったから”という進化的解釈をしているが、これ解釈お行儀よすぎないか?
単に「眠れないから夜這いでもするか」な性質を持つ個体がそのぶんよけいに繁殖してきちゃったってだけじゃないかと思えるんだが。
で、かくして思春期にはただでさえ自然によふかしになるところを、文明のおかげで電灯はついたわ深夜放送はあるわやろうと思えば24時間ゲームもネットもコンビニも。
でも学校があるから朝早い。寝不足&成績低下…。
子供部屋のテレビやコンピューター、子供の夜更かしを推進
2004/03 ▲日本語記事 ★ JAPAN JOURNALS LTD.
2004/03 ★ BBC News Computers 'rob children of sleep'
キレる子、成績が落ちた子、寝てますか? 睡眠不足の害@青少年
2004/03 ★ ScienCentral Teen Sleep
乱れた睡眠、脳の発達に悪影響?
2004/01 ▲日本語記事 ★ 読売 医療と介護
政府は最近、子どもの脳の研究を奨励しているようだけれど、それなら授業フレックスタイムも気をきかせて作ってくれればいいのにね。

2004/12 追記: 夜更かし傾向は思春期特有の生理的特徴の一つ。
夜更かしが終わるとき、青春も終わる
就寝時間が遅くなる傾向は思春期からはたちまで
20才を過ぎると夜更かし傾向は消える
2004/12 news@nature.com Early sleep marks the end of adolescence
'Lazy' teenagers undergo change in sleep patterns at age 20.
追記:
2007/09 UK Today (JAPAN JOURNALS)
「ティーンエイジャー、イライラの原因は10代特有の脳内ストレス対応法」
http://www.japanjournals.com/dailynews/070917/news070917_2.html
通常、脳内物質THPは、ストレス状況では鎮静効果を発揮する
思春期の若者の脳内では逆に落ち着かない状態にティーンエージャーの不満は脳みそから こらえしょうがなくなっている気配
2008/02 New Scientist It's not fair: Brains may compel teens to tantrum
2008/02 news@nature.com Brain changes linked to adolescent moods
ティーンエージャー感情に関係がある脳変化
脳におけるバリエーションは、普通の攻撃的な行動と相関する。
2008/02 ABC@オーストラリア Aggressive teens have mismatched brains
攻撃的なティーンエージャーは、バランスがおかしい脳を持つ

児童〜青年の睡眠について: 2004/07 「こどもの睡眠とうつと成績」
へぇボタン:へぇ〜
と押してみるもよし情報庫: 小児〜青少年 睡眠 進化心理学 脳神経 テレビゲーム
『 子どもの心の発達がわかる本 不思議な「心」のメカニズムが一目でわかる 』 こころライブラリー 小西 行郎 (監修) 講談社 (2007/8/28)
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