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2004.06.01

46野とテレビゲーム

 当時、児童の発達過程において「総合的な認知判断体験」が重要である、という見方が広まっていた。
 相手の表情、声色、しぐさ、気配、状況、展望、過去体験との照会 etc...。
 広範囲のさまざまな不確定情報を総合して、判断する能力。

 旧来のテレビゲーム/パソコンゲームは、限定された認知機能しか使わないものがほとんど。
 パラメータもキャラ反応も、開発者の予定範囲内&想像力内であり、低いスペックのマシンで展開できる範囲のものでしかない。
 オンラインで不特定多数とやりあう不確定さがありそうなゲームでも、畢竟(ひっきょう)、現実に生じうる多くの情報をそぎ落とした記号的エッセンスでしかない。

 進化上、人間は成長過程において「総合的な認知判断体験」を経てはじめて、現常識において”正常”とされる脳発達を示すようになっている可能性があるわけで。
 部族集団や自然環境の中で、さまざまな情報や気配を総合判断して生き抜くことがあたりまえな世界に、ヒトは生きてきたんだし。

 が、脳配線基礎が発達する小児期、 脳配線の組み替えが大幅に行われる思春期に、ゲームのような単純な 認知スキーマにばかり親しんでいると、これまで正常とされていた脳発達とは異なる発達、偏った機能になるのではないか、そういう話だったんでしょう。

テレビゲームは児童の精神発達をとめちゃうよ
 ゲームが子供の心に与えるダメージを脳スキャンで検証
 プレイ中に活動する脳部位は視聴覚などごく一部
 成人まで発達し続ける前頭葉がお留守のまんま
 これじゃ暴力的行動を抑制できなくなるわけです〜 川島隆太@東北大
2001/08 Guardian Computer games stunt teen brains
2001/08 Telegraph Computer games make children anti-social
2001/08 ZDNet Computer games linked to learning problems

 総合認知判断に関する 46野の発達への関心など、そのあたりからもてはやされていた。

ものを忘れる若者たち  2001/07「クローズアップ現代」NHK
抜粋;「若年性健忘症:46野がうまく動かないと、記憶を引き出してくることができない:便利な機器に頼りすぎたり、他人とコミュニケーションをとる機会が少ないと、46野の機能が低下するのではないか」
 直接対人ではないネット経由やバーチャル暮らしでは五感や総合記憶を使用しないので、前頭葉の46野(広範囲の情報を総合したり衝動を抑えたりする部位)がさほど使われず能力がひなびていくらしい。予防のための項目には「1日最低3人、家族以外の人と話す」など。

 
謎の憑依現象を追え! 1999/09 日テレ:特命リサーチ200X!
抜粋;大脳新皮質前頭連合野46野 五感 からの情報や過去の記憶を集め保存、情報を比較・判断して次の行動を決定、指令を運動野に指示、命令を各筋肉に伝える脳の最高司令部
 脳のリミッターという役割も持つ

 ゲームの中には、認知障害/行動障害のある児童の訓練に使われている種類もある。「特定の認知機能を集中して限定的に使う」というゲームの特性から、認知機能や行動の強化に効果をあげている。

 で、まとめるならば

●右画
●ゲームのような単純&限定脳活動ばかりでは、脳の総合判断担当部位@前頭葉が弱くなっていく

●脳機能の弱り具合・未発達具合は「GO NO-GOテスト」などの簡単な実験で確認できる
 GO NO-GOテストの詳細 ↓
 「子どもを伸ばす親・つぶす親」 回復!スパスパ人間学 TBS 2001/11

●脳波検査だけでは実際の機能具合は測れない、脳波だけで云々する論はダメ

◆脳の総合判断担当部位が弱くなっていくと、目の前の状況やおのれの欲望・衝動に安直にリアクションする傾向が強くなるだろう

◆広範囲の情報を総合するような長期的展望や、道徳・倫理感、多人数の意見調整力、などが特に弱くなるでしょう

●ゲームには「繰り返し判断&報酬」な行動矯正(スキナーボックス)効果もあるので、弱まった判断力から目の前の状況にゲーム的(刹那的)に反応するようになってしまいうる
 そこで、各種ゲーム内容の影響が問題にもなるわけで、暴力影響、ロリ影響、恋愛ゲーム影響、操縦シミュレーション影響、とかね…


 認知的不協和から、ゲームユーザにはついついゲームを擁護したくなる人が多いようだが、長時間の”過去のヒト進化過程にない行動”はそれなりに良くも悪しくも”ヒト過去にない新しい影響”を人間行動に与える。

 今後は「18禁ゲーム」というようなくくりではなく、
  「このゲームは**タイプの子には推奨できません」
  「〜〜の傾向が見られたら**タイプのゲームは避けさせて
   キャンプなどの自発的集団行動を奨励しましょう」
みたいな認識に行くのではないか(もしくは行くべきではないか)。

(この項は備忘録として数年前の文章を再構成収録したものです:その後、ネットやオンラインゲーム、ケータイ交信が普及していきました)

情報庫: ゲームやメディアの影響

『オールナイトライブ (5)』  鈴木みそ 著  コミック 2001年  エンターブレイン
ゲーム系専門学校のえげつない実態について描かれた回あり。
  なんというか「46野がひなびた生徒ばかり」のごとき恐ろしい状態に見えたのですが…。
  (ゲーム系専門学校を進学先に選ぶ人々ではゲーム没頭者の割合が格段に高いと思われる)

その後:
 → 2005/11 『ニートと物語 ゲームと世界観』
 → 2006/07 『死の変貌 デスについてのノート』


へぇボタン:へぇ〜 と押してみるもよし



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