« サル学者とサル人間 | トップページ | 遺伝子で生徒を選別するという逃げ口上 »

2004.07.29

言語の起源やサルの言葉や世界祖語

世界祖語(超語族) 人類最初の言葉は「パパ」?
2004/07 New Scientist Family words came first for early humans

 ぱ・ぱ、ま・ま、とかいう発音が、口の構造などから指示語として出やすいだろうという推察から。舌使わないし。
 はたしておさなごから言語の起源を類推できるのか。

赤ちゃんのバブバブは祖先の言葉
2000/04  ★ On the Origin of Internal Structure of Word Forms Science Volume 288, Number 5465, pp. 527 - 531
 
口の右側で盛んにバブバブ?
 赤ちゃんのバブリングからヒト言語の進化をさぐれ
2002/10  ★ Seeking Deeper Meaning in the Babbling of Babies New York Times

ビミョーな仮説もいろいろあったりします。

●右画
赤子の発話と言語の起源
 ディーン・フォークの仮説:採餌のために子を置く→交信音声の需要
 もしそうだとすれば、起源ははるかに遡る
2004/07  ★ Baby Talk Beginnings Scientific American
 Infant pacification may have led to the origins of language
 
言語は男からだったのか? 脳半球、遺伝子、性差…
2002/09  ★ Was First Human To Speak Male? Discovery
言語は男から?
2000/03  ★ Gene glitch made man speak first THE OBSERVER
ヒト言語はオスどうしの威嚇行動から生まれた?
 ヒトみたいに声帯が奥の方にある鹿をもとにした考察
2001/08  ★ Intimidation tactics may have led to speech New Scientist

 言語野は脳の左にあることが多い。
 そこから推理なさる人もいる。

cover
「意識する動物たち:判断するオウム、自覚するサル」

 レスリー・J・ロジャース著
 青土社 1999年
(原書:1997/Minds of Their Own)

p.166-167
【大意:190万〜140万年前にはヒト科動物には右利きが多くなっていた。
 利き手は脳の機能局在があることを示す。右利き、道具使用、コミュニケーション発達(ボディランゲージ含む)の相乗作用で、言語に必要な左半球の特殊化がもたらされた可能性。】
 さらに、言語と道具の使用はどちらも酷似した認知過程を用いるのだという可能性を論じる人々もいる。確かに利き手、道具の使用、そして言語には同じような、あるいは関連のある脳の機構が存在するかもしれないが、今ではそれらが一緒には進化しなかったことが明らかになっている。利き手は早い時期に動物に進化したのだ。

 
利き手の進化と言語野
2001/11  ★  Word acquisition reflects lateralization of hand skill Trends in Cognitive Sciences Vol. 5, No. 12

 言語研究はどうも苦手、というか、言語学方面は世俗日常知からは遊離しまくったような印象の研究論法が多くて、私の弱い頭では把握しきれない。
 こういう話もあります。

cover
「ことばの進化論」

 D・ビッカートン著
 勁草書房 1998年
(原書:1990, Language and Species)

p.6
 言語の役割を評価しにくくしたもう一つの要因は、比較的最近まで言語研究としての言語学がほとんど進展しなかったということによる。われわれが言語について知っていることは、ほとんどのものがここ30年で知られたものばかりである。その知識の大半は、一般大衆には容易に触れることができない。

 しかし、鳥やら動物やら、人間じゃなくても警告音やコールサインなど、音の信号をたくさん使う生き物はザラ。
 それらと「言語」はどう違うのか。

言語進化は一気に起きる
 サルからシェークスピアへの飛躍  言語の進化にも相転移
2003/01  ★ Language evolved in a leap Nature Science Update
 Conflicting needs may have driven rapid development of communication.
 
現代的意味でのヒト言語、かなり歴史が新しそう
 20万年以内らしい、5万年前かも 遺伝子調査から
2002/10 Genomeweb.com  Gene-Expression Tools Trace Evolution of Modern Human Language

最近の強力なツール:遺伝子研究が言語の起源推察をさまがわりさせたり。

サイエンス言語特集号
2004/02  ★ The Science and Evolution of Language Psychscape
 
言語の起源を生物学的に掘り当てる
 遺伝子系統とパラレルに存在する言語系統樹
2004/03  ★ A Biological Dig for the Roots of Language New York Times
 
2003/05  ★ The FOXP2 story Wellcome News
 A single family with speech abnormalities may hold one of the keys to the origin of human culture.
 
言語/失読症に関与する遺伝子
2001/10  ★ Gene change speaks to language malady Science News, Vol. 160, No. 14, p. 213
2001/11  ★  Study Offers New Insight Into Why Learning Disorders Are Genetic National Geographic
言語機能に関与する遺伝子を特定 「FOXP2」 ヒトの言語本能のモト?
2001/10  ★ Scientists unlock mysteries of speech BBC News
2001/10 ★ Team pinpoints first gene key to language Guardian
言語学:遺伝学の話とその逆 スティーヴン・ピンカー
2001/10 ★  Talk of genetics and vice versa Nature 413: 6855 Page 465  Steven Pinker

おサルさんとの比較はこんな感じ。

汝、雄弁なチンパンジーを見よ 言語の遺伝学的起源FOXP2再考
2004/06  ★ Research Vision | Behold the Talking Chimp The Scientist
 Zeroing in on the genetic basis of language
 
仲間の声を言語っぽく処理するサルの脳
2004/03  ★ Monkey Talk ScienCentral
 
サルどうしの声コミュニケーション、左半球がつかさどる
 人間と同じように脳機能局在しています
2004/01  ★ Monkey talk, human speech share left-brain processing EurekAlert
 
猿は『基礎文法を把握する』
2004/01  ★ Monkeys 'grasp basic grammar' BBC News
 
人間だけが言語を持つ理由
 言語能力の遺伝子に微妙な違い=ヒトと霊長類で−英独研究グループ
2002/08  ★ First language gene discovered BBC News
2002/08  ★ Evolution of language: FOXP2 and human uniqueness in religious perspective EurekAlert!
 
サルとヒトの違い=構文処理・語彙処理@脳 〜サカイ・クニヨシ@東大
 サルは言葉を覚えるが、ヒトとは異なる経路で処理しているかも
2002/08  ★ Grammar skills 'separate humans from monkeys' Ananova
 
霊長類の脳に言語野の源を見た  チンパンジー、ボノボ、ゴリラ
2001/11  ★ Ape brains show linguistic promise BBC News
 
ヒトと他の霊長類では言語回路が異なります
2001/09  ★ Brain circuitry involved in language reveals differences in man, non-human primates EurekAlert!

 ああ、便利ですねぇ、ウェブ上に用語説明もあったりする。

言語年代学、語彙統計学

cover
「認識と文化:色と模様の民俗誌」

 福井勝義著
 認知科学選書21/東京大学出版会 1991

p.228注:
基礎語彙というのは、言語と言語の近縁関係や同系の言語が分化した年代の古さを推定するさいに利用される基本的な200語彙のことである。文化や自然環境のちがいをこえて、人類にひろくみられる。

 
言語:言語の系統樹の分岐年代は、インド‐ヨーロッパ語族の起源がアナトリアであることを裏づけている
2003/11  ★ Language tree rooted in Turkey Nature Science Update
 Evolutionary ideas give farmers credit for Indo-European tongues.
2003/11  ★ Mother Tongue May Be Older Than Many Think Washington Post
 
先祖の言葉はコイサン語系?  人類の初期言語はクリック音を持っていたかも
2001/10  ★ 'First language may have used clicks' Ananova

挿画

 norahigureさんから岩波書店・ 月刊『科学』2004年7月号が「特集 言語の起源」だったとの示唆。
 進化心理学関係者数名参加。
 この人↓も特集に参加してますね。

体の把握 身体スキーマの形成 +入來篤史@理研
2004/07 New York Times When the Brain Says, 'Don't Get Too Close'

以下、進化心理学がらみな感じのものいくつか。

2003/10  ★  General Symbol Machines: The First Stage in the Evolution of Symbolic Communication Evolutionary Psychology 1: 192-209
 
「ルーシーから言語へ:社会脳考古学」プロジェクト
 ジョン・ゴーレット&ロビン・ダンバー
2003/09  ★ Digging into the brain BBC News
 
ヒト進化と言語
 チョムスキーの功罪 霊長類の限界 ジェスチャーの役割 ゴシップの機能 言語遺伝子
 ビッカートン、ダンバー、ピンカー…
2003/07  ★ Early Voices: The Leap to Language New York Times
 
スティーヴン・ピンカー、言語学のパラダイムについて語る
2002/04  ★ MIT Professor Lectures Berkeley Audience on Linguistic Paradigms The Daily Californian

●●●小玉7●●●

 世界祖語としての「ママ」、母神や原母としてのママについての考察は、「マナ」考察も含めて
 ●本ミニ 山内昶著 「もののけ 1」 ものと人間の文化史 法政大学出版局 2004/08
でひとしきり講釈されています。


へぇボタン:へぇ〜 と押してみるもよし

情報庫: 言語   進化心理学   ヒトの進化




|

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/863/1078141

この記事へのトラックバック一覧です: 言語の起源やサルの言葉や世界祖語:

コメント

コメントを書く