むき身のアワビと神の遊行
70年に一度の奇祭という 茨城の金砂大礼祭、海からの来訪神はアワビの貝殻に乗って訪れる。
こないだ日テレ系の「まさかのミステリー」でもあわび食がタブーになっている地方が紹介されていたけど
「あわび文化と日本人」 大場俊雄著 (社)日本水産学会監修 ベルソーブックス 成山堂書店 2004年改訂版 旧版2000年
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「漂泊する神と人」 花部英雄著 三弥井民俗選書 民間説話の民俗学的研究1 三弥井書店 2004/01
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「漂泊する神と人」p.82あたりに記されていた【あわびがうつぼ船の浸水を防ぐ、あわびにまつわる禁忌、そして渡来人や海洋人とうつぼ船&あわびの関係や伝承】、が妙に気になって、そんなこんなでちょっと覗いてみた「あわび文化と日本人」(私が見たのは旧版のほう)。
日本の祝い事に用いられる「のし」ってのはイコール「のしあわび」。あれ元は全部アワビだったんですね、食えた。リンゴの皮むきやダイコンのかつらむきみたいにアワビの身をくりくりそぎのばした乾物、かんぴょうみたいな。めでたい贈答品の代表だった(のす=「延命延寿」や「敵をのす」に通じるとみなされたらしい)。
それはともかく、
旧版「あわび文化と日本人」
p.139
確かに殻をはずしてもアワビは生きている。著者は,水温とアワビの心臓搏動数との関係を調べるため,殻をへらを使って注意深くとりさり,心臓が外から見えるようにして水槽で飼ったことがある。飼育した期間では,新しい殻は形成されなかったが,長期間,健全に飼い続ければ,おそらく柔らかい殻様物質が分泌されてくる可能性はある。
これはどーなんだ。
殻はがして観察するという図に反応して出てきてしまうイヤな感情はさておいても、アワビに限らず、巻き貝って殻全部むいてしまっても殻再生しうるのか!?
なんか、再生する間もなく速攻でおいしく補食されてしまいそうで、ていうか、裸にむかれた上で放置される自然状況というのも想定しかねるし、この種の生物は裸一貫からやり直すほどの根性適応機能を獲得できうるんだろうかという疑問がうずまいて、あああ誰か答を…。
「あわび文化と日本人」は水産学方面の人が記していらっしゃる関係か、民俗的考察に関しては深くはないがひととおり情報はおさまっている感じ。コンパクトで手軽に読める一冊。
「漂泊する神と人」は、古来の天皇の遊行伝説&国見と伝承、血の赤、霊の赤、杉の赤、山人論、原始共同体が持っていた無時間の世界と異次元との交流、などなど味わい深い論考が種々おさめられている好著。
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