壊滅的…アンダマン〜ニコバル
うちのじいちゃんはアンダマンに派兵されてた。
戦犯で処刑されるところを、アンダマンの現地の人々による申し立てで命を救われたという。
じいちゃんは故人。
大戦を知る古老も、日本語や日本の唱歌を覚えているアンダマン人も、大半はすでに故人であったろう。
このたびの津波災害で震源地直近であるアンダマン〜ニコバルの情報がみごとに欠けているのが非常に気になっていた。
海抜がほとんどない島々、島丸ごとさらわれるなど、壊滅的状態だろうとは思う。

2004/12/28 asahi.com 島の3万人、安否不明 印領アンダマン・ニコバル諸島
2004/12/29 asahi.com 地震10分後に津波、島全体をのむ カール・ニコバル島
世界的に貴重なアンダマンの狩猟採集民アボリジニたち、安否不明
2004/12/30 BBC News Andaman aborigines' fate unclear
The fate of some of the world's most primitive people is unclear after the tsunami strike on India's Andaman and Nicobar islands.
2004/12/30 CNN Remote Indian islands searched
2005/01/02 読売 インド領アンダマン・ニコバル諸島、救援活動が難航
2005/01/04 読売 カー・ニコバル島も壊滅的、12村のむ…津波被災ルポ
2005/01/11 毎日新聞 インド洋津波:「水没」の島を見る 印・カールニコバル
アンダマンにはどんな民族が住んでいたのか。
太古からの原住民と、インドからのにわか移住民、そして観光客。
アンダマン諸島ネイティブのルーツ@遺伝子調査
アボリジニ〜最初期アメリカ住人系列(10000年前)の子孫らしい
2002/12 Wired Genes Reveal Andamanese Origins
「インド洋戦記 最前線アンダマン基地」小沢一彦 図書出版社 昭和54年 1979
大戦当時。
食糧が涸渇し、ゾウをも殺す日本兵と現地民との確執が深刻だったという。
スパイ容疑での民間人処刑も行われたという。
記録の少ないアンダマン戦。
大戦の記憶が呑まれ消えていく。時代に。波に。

過去ラドクリフ=ブラウンがアンダマン諸島でフィールドワークをなしたことは有名。
現地にかろうじて生き延びていた伝統的言語の死亡宣告も、人知れずなされるだろう。
崎山理『自然認識と言語表現』所収: 「人類学とは何か:言語・儀礼・象徴・歴史」 松原正毅編 日本放送出版協会 1989)
p.25
外界の生物と無生物を区別する言語にアンダマン語、北アメリカのアルゴンキン諸語、ニューギニアのサルトユイ語、ヴェトナム語などがあり、また日本語の「いる・ある」にもその痕跡が残っている。
「消えゆく言語たち:失われることば、失われる世界」 ダニエル・ネトル、スザンヌ・ロメイン著 島村宣男訳 新曜社 2001年(2000/Vanishing Voices)
p.168
アンダマン諸島:彼らは非常に小さな語族に属する小言語を話し、構造も語彙も周辺の言語とはまったく異なっている(現存では親縁言語がまったく実在しないものもある)。
「絶滅していく言語を救うために ことばの死とその再生」 クロード・アジェージュ著 白水社 6800円 2004/02(原書2000)
p.219-220
アンダマン諸島の言語は、現在知られているどの語族にも確実に結びつけることができない。アンダマン諸島の土着民は、一九一三年には四六〇人を数えた。北部、中部、南部の三つのグループに属する多くの言語が、現在では死滅しているにちがいない。
アンダマン・ネイティブ(原住民)のお姿たち 言語については 「言語消滅=思考の画一化」 もご参照を。

被害の模様:衛星写真など
日立ソフト:津波被害の衛星画像と解析結果
Space Imaging : Image Gallery:ツナミ・ギャラリー
DigitalGlobe :QuickBird Images of Tsunami Sites

おおっ! こんなニュースが!
アンダマン〜ニコバルのネイティブたち、インド洋大地震の津波被害をまぬがれる
プリミティブな生活様式を守る貴重な民俗
絶滅を危惧されたが、岸から遠いジャングル住まいだったので無事
2005/01/01 Yahoo! News India's Tribal People Safe After Tsunami-Official
India's dwindling aboriginal population in the remote Andaman and Nicobar islands is safe as most lived in jungles, far away from the coast hit by a devastating tsunami.
部族が災害を免れたのは「動物たちが教えてくれたから」
2005/01/05 Star Tribune Surviving the tsunami with Stone Age instincts
全員無事だったジャラワ族(Jarawa)への貴重なインタビュー
なぜ津波を避け得たかに付いては彼らは黙して語らない
2005/01/06 The Times Leader AP: India Tribe Members Survive Tsunami
2005/01/07 Boston.com In rare meeting, tribesmen tell officials of survival
津波予知、被害を事前に避けたネイティブたちに学べないか
「科学的」に大規模な予知システムを整備するよりはるかに効果的で安上がり
2005/01/08 Asia Times Early warning? Ask Nicobar's stone-agers
25日間ただ一人孤島で生き延びていた男
2005/01/22 TBO.com Authorities Say Tsunami Victim Was Stranded Alone for 25 Days on Indian Island
アンダマン〜ニコバルの死亡者数1,899、不明者数5,553
<インド洋津波>9人が38日ぶりに救出 大ニコバル島
2005/02/03 ヤフージャパン(毎日新聞)
(原住民の援助で生き延びていたらしい。つまりネイティブにあらず)
移住して住みついていたにわか住民たちは津波に呑まれまくってかなり死亡したが、古来の原住民たちは揺れのあとただちに、もしくは海水面の変化を察知してすぐ、森の奥に移動していて難を逃れた。
アンダマンの被災状況について言及のあるブログ系サイト: 01/01 ★ 生き延びるアンダマン・ニコバルの人たち @melma!blog [世界の環境ホット!ニュース] 01/01 ★ 南アジアからの便り@melma!blog [世界の環境ホット!ニュース] 01/01 ★ 壊れる前に…: アンダマンとニコバルの先住民 01/02 ★ ことばことば:絶滅に瀕した言語 01/02 ★ 【先住民族】インド洋大津波とアンダマン・ニコバル諸島民:いたちまる雑記 01/03 ★ 【先住民族】アンダマン・ニコバル:いたちまる雑記 01/04 ★ 【先住民族】アンダマン・ニコバル続報:いたちまる雑記 01/08 ★ なんでも評点:ドキュメンタリ番組好きの男性が島民1500人の命を救った − インド領アンダマン・ニコバル諸島 01/11 ★ ラテンアメリカから見ると: 474アンダマン原住民、ツナミから逃れる 01/20 ★ Bohen's Weblog: インド諸島からの大量脱出 02/02 ★ networking: シャプラニールがアンダマン・ニコバル諸島で救援活動を行うことを決定 ★ 自然災害情報トラックバックピープル ★ Musique Nonstop あれ?ここ言及が消えてる?私がリンクし間違った? |

2005/03 追記:民俗的に非常に興味深い報告がインドの文化人類学者から挙がっています。
「土地が水になったとき」 彼らを救った民族的語りに耳を傾けよ
地のゆさぶりは土が水に変化する予兆 死者の異界と接続する地震
津波とアンダマン諸島のOngees
ネイティブの地域社会は、災害に対してより大きい回復力を示した
井戸や家屋など、外来の施設はもとより活用されていなかったし
2005/03 American Anthropological Association 'When Land Became Water'
Tsunami and the Ongees of Little Andaman Island

追記(2005/10)
2005/01 National Geographic Did Island Tribes Use Ancient Lore to Evade Tsunami?

追記2006/05
アンダマン〜ニコバルで「はしか」災禍 少数民族ジャラワが危ない!
2006/05 BBC News Measles hits rare Andaman tribe
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崎山理『自然認識と言語表現』所収: 





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