夜口笛を吹くと蛇が来る
『世界一受けたい授業』の 唐沢俊一 氏(なをき氏のほうじゃないよね、うろおぼえ)、堺正章氏の思いつき発言に答える形で「夜口笛を吹くと蛇が来る」の由来について軽く講釈していた。
蛇は人の嫉妬のアナロジー
夜はしゃいでいるとあの家は何かいいことがあったんじゃないかと
人の妬みを招くことになるので戒めとして
みたいな。
(2005/01/22 日テレ系 札幌テレビ)
諸説異論、まぁいろいろあるとは思うけれど、( 腑に落ちればそれがその場の真実として浮上する? )
私的には 笠原潔氏 が挙げていた解釈のほうが腑に落ちて面白いと思う。
神おろしに”高音の笛”を用いていた古代。
高周波音はトランス状態をもたらす。
夜に笛を吹くという行為は不用意に荒神を招くことにつながる。
神おろし儀式以外では禁忌となる。
「埋もれた楽器」笠原潔氏
p.48
石笛を使用して「神降ろし」をしている神社では、石笛の発するこうした高周波の危険性を熟知してか、その使用に関しては、色々と制限を加えている。
こうした神社では、石笛による「神降ろし」に関心を持って訪れる者に対して、まず、神事に参加させ、お祓いをし、正しい作法を説き聞かせてからでないと、石笛を分与しない。おもしろ半分に石笛をもてあそぶことを禁じたものであろう。
伝授の際に最初に言われるのは、「神様は、やたらに呼び出すものではない」ということである。これは、素人が面白がって無闇に石笛を演奏し、石笛の発する高周波に長時間身をさらすことの危険を戒めたものであろう。
ヘビという存在のアノマリーさについては山内昶氏の 「もののけ 1」がひとしきり詳しく。
「もののけ 1」
p.168
一般に民族動物学では、意味分節の分類カテゴリアからはみだし、どこに分類してよいかわからない、曖昧で両義的な存在が、聖なるものとして崇拝されたり、あるいは穢れたものとして忌避されることは、人類に共通の思惟法則だった。
p.170
陸の動物なのに足がなく、魚のようにぬらぬら、ぬるぬるした鱗があって、しかも鳥のように卵を産む(少数ながら卵胎生もあるが)。乾燥した砂漠地帯にいるかと思えば、沼や池など水辺や湿地を好み、木に昇るかと思えば、石の下や穴に潜む。のろのろとくねって蛇行するかと思えば、とぐろを巻いて静止し、電光石火のすばやさで攻撃する。大きな獲物でも締め殺して、噛み砕いて食べるのではなく、口の関節をはずして嚥下/えんげ/する。無毒のものもあれば猛毒のものもあり、温帯では地下に潜って冬眠するし、何度も脱皮をくりかえして新しく生まれ変わる。こうしたどの民族動物学の分類カテゴリアにも入らない生態から、ヘビは地霊的・冥府的性格、水神的・農神的性格、呪術的・魔性的性格、不死的・英知的性格等々をもつ魔物と世界的に表象されてきた。
このほか虹やカオス、たたら、憑霊もからめて延々数十ページ「ヘビ」という表象についての博物学的考察が述べられていて重宝。
ヘビという「毒を持つ危ない存在」を先天的に忌避しやすい性質を霊長類は持っている、という講釈が進化心理学では主流だけれど、
「生命の未来」 エドワード・O.ウィルソン著
p.182
生まれもった バイオフォビアを誘発しやすいのは、人間が進化した過去の自然界のどこにでも存在した危険や災難の源である。それには高所、閉所、流れる水、ヘビ、オオカミ、ネズミ、コウモリ、クモ、血などがある。
ヒトが持つ認識能力・分類傾向の上で、危険云々以前に自然にアノマリーな位置におさまってしまう特殊性という部分も、抜かしてはいけないと思う。
日本語でぐぐるとバイオフォビアは全然ヒットしないんでちょっとびっくり。biophobiaは日本ではバイオフォビアではない呼称で呼ばれているとか?


検索すると、このあたりが妥当に面白く。
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