アダムの呪い?遺伝子でさぐる人類の系譜
サイクスおじさんは、イブをやったらアダムもやんなきゃ、と思ったはいいが、なぜこれを「呪い」呼ばわりするんだか。
自虐的すぎませんか?
アイデンティティを、性別や性染色体に置きすぎていませんか?
「アダムの呪い」 ブライアン・サイクス著 ソニー・マガジンズ 2004/05 |
前に細胞内のミトコンドリア遺伝子を追って、人類の母方祖先を捜し求めて一冊書き上げたサイクスおじさん。
今度は男のY遺伝子を追っかけて、人類の父方祖先をこの世のオモテに引きずり出しました。
原書:
Adam's Curse : A Story of Sex, Genetics, and the Extinction of Men
アダムの呪い 性と遺伝と男が絶滅する日の物語
Bryan Sykes (著) ハードカバー (2003/09)男は必要なのか?
2003/08 Guardian Do we need men?
そして男は絶滅する 2003/08 Y bother: men are doomed after all
2003/08 ThisisLondon Men are doomed!
「イヴの七人の娘たち」
ブライアン・サイクス著
ソニー・マガジンズ 2001年
※ ブライアン・サイクスの既刊邦訳:ミトコンドリア・イブです。かなり売れました。
このおじさんのすごいところは、ばりばり調査やって、結果出して、逐次メディアに流して、そいでしっかり本にもまとめてしまいますという。かなりマルチタレントなイケイケさん。
DNAに苗字を見た!
血縁の指標となる「姓」が同じであれば、遺伝的血縁サイン(Y遺伝子)が共通している率も高いだろう、というお話。
2000/04 BBC News Surnames found in DNA
2000/04 The Daily Telegraph Why the Dysons keep faith in their genes
さらなる遺伝子探し、ルーツ探し、系統探しの面白さは本の中身に譲るとして。
以下はこの本の中身っぽい感じの過去記事軍。
Y染色体からかいま見る人類の系譜@中央アジア
2004/12 The Hidden History of Men Discovery
ジンギスカン、むっちゃ子孫多いでっせ
2004/06 Discovery Genghis Khan: Father to Millions?
レビ人と中央アジア人の遺伝的おつながり
2003/09 Geneticists Report Finding Central Asian Link to Levites New York Times
人種 +ブライアン・サイクス
2003/07 Is Race Real? New York Times
アングロサクソンよりケルトやバスクかな Y染色体が明かす英国民の成り立ち
2003/06 Y chromosomes rewrite British history Nature Science Update
人類は7万年前に絶滅の危機をくぐり抜けていた
出アフリカも同時期 わずか2000人ぶんという遺伝的ボトルネックを通過
2003/06 When humans faced extinction BBC News
2003/05 Scientists use DNA fragments to trace the migration of modern humans EurekAlert
大いなるY ヒト進化のカギ、男のルーツ
2003/05 Y and mighty Guardian
イギリス人の真の姿とは? ケルト民族は駆逐された?
遺伝子検査でルーツを探る
イギリス諸島現住民の半数近くが実はケルト民族の血を引いてます
2003/05 Y Chromosomes Sketch New Outline of British History New York Times
遺伝子調査で否定されたコンティキ号仮説
2003/04 DNA tests destroy Kon-Tiki theory The Sunday Times / Evolutionary Psychology-ML
2003/04 Where do we really come from? DISCOVER Vol. 24 No. 5
15万年前のミトコンドリア・イヴはタンザニア〜エチオピアあたりの住人
2003/04 Tanzania, Ethiopia origin for humans BBC News
世の中にこんなにいたのかジンギスカンの末裔 ヒト性淘汰をアジアに見る
2003/02 A Prolific Genghis Khan, It Seems, Helped People the World New York Times
ヨーロッパの人々は中東の農耕民の子孫
2002/08 Finding agriculture's 'genetic signature' BBC News
真のブリテイン人はウェールズ人 アングロサクソンとの遺伝子差
2002/06 English and Welsh are races apart BBC News
ミトコンドリアDNAと言語学から探るアラブ人の出自
2002/05 Maternal line reveals origins of Arabic BioMedNet News
ユダヤの遺伝子、男女でルーツが違う? ユダヤの歴史を解明する
2002/05 In DNA, New Clues to Jewish Roots New York Times
界中の人間はネフェルティティと孔子の末裔?
2002/05 The Royal We The Atlantic Monthly
ミトコンドリアDNA検査でインカ帝国の末裔をさがせ
2002/05 DNA may find 'living Incas' Ananova
ジプシーの遺伝的ルーツ@1000年前のインド
2001/12 Genes Reveal Gypsies' Past inScight
バイキングの末裔たち
2001/12 Viking blood still flowing BBC News
シルクロードとヒト遺伝子 ユーラシア大陸におけるY染色体バリエーションの分布
2001/08 DNA analysis tracks Silk Road forbears BBC News
現代人の遺伝子から探る初期人類の移住ルート
2001/08 'Footprints' of early human migration left in DNA EurekAlert!
インドのカースト制に見る人種のおつながり インド-ヨーロッパ語族の遺伝子とカースト
上位カースト層は遺伝的に欧州やアジアの人々と近縁
5000年前の欧州からの移住がカースト制の起源か
2001/05 Indian caste shows link to Europeans Ananova
世界の民族の遺伝子を解析してヒトのルーツをさぐってます
インドのカースト血筋 ポリネシア人のルーツ
ミクロネシアの白人血筋 ヨーロッパの民族移動史
オークニー諸島とバイキング ネアンデルタールとヒトの混血可能性…
2001/05 Seeking the Parents of Us All Los Angeles Times
ヨーロッパの人々のご先祖は25000年前にアフリカから来た数百人
現在のアフリカ人たちのよりも少ないご先祖数だよ
2001/04 Europeans from 'a few Africans' CNEWS Science
DNA調査が明らかにするヨーロッパ人の遺伝つながり
2001/04 Gene Study Shows Ties Long Veiled in Europe NEW YORK TIMES
ミトコンドリアDNAでイギリス人のルーツを探る
2001/04 Those bogus British genes THE GUARDIAN
ケルト人はバスク人と遺伝的にお近づき
2001/04 Genes link Celts to Basques BBC NEWS
伝承を裏付ける遺伝子研究
9世紀のオークニー諸島へのヴァイキング侵攻 ケルトとバスクも近縁
2001/04 ABC NEWS Gene by Gene Scientists Use Genetics to Trace Viking Heritage
ヴァイキングはもとはイギリス人
北大西洋諸島人、6割はイギリス母系〜ミトコンドリアDNA検査
2001/03 Vikings' Genetic Legacy academicpress.com
フィンランドへの人類棲みつきは2度に渡るもの
サーミ人、フィンランド人の遺伝子調査結果
2001/02 Fathers of Finland eurekalert.org
ヨーロッパ人の先祖は50人?
病の遺伝子を探り出すのはそんなに難しいことではないかもしれない
2001/05 New finding accelerates discovery of disease genes and human population history eurekalert.org
2001/05 Genetic roots of Europe BBC News
アジア人の起源はアフリカ=男性染色体の調査で判明−米科学誌
2001/05 Study supports out-of-Africa origin for East Asians eurekalert.org
ジブラルタル海峡はヒト遺伝子にはとても深い溝
アフリカ北西部とイベリア半島で遺伝子調査
距離的にはわずか15kmでも遺伝子的にはかなりの隔たりがある
2000/12 New Scientist Next-door neighbours are worlds apart
ヨーロッパ〜中東人の家系は元をたどればわずか10種類
現代欧州人の8割は4万年〜6千年前に欧州に住みついた狩猟民の子孫
2000/11 Male Europeans 'related to 10 ancestors' ananova.com
2000/11 European men fell from same family tree THE GUARDIAN
2000/11 Europe's 10 founding 'fathers' BBC NEWS
遺伝子で探るヒトのルーツ アフリカから世界に広がった人類
2000/12 Genetic study roots humans in Africa BBC NEWS
アダムはイブに会ったこともない
遺伝上のアダムは59000年前のアフリカにいた イブはそれよりさらに84000年前
2000/10 Genetic 'Adam never met Eve' BBC NEWS
アダムとイブは別の時代に生きていた?
2000/06 THE DALLAS MORNING NEWS A new mystery evolves on trail of early human
アダムは10人、イブは18人もいる?
2000/05 THE HUMAN FAMILY TREE: 10 ADAMS AND 18 EVES New York Times
ヨーロッパ人のイブは7人(名前も付いている)
2000/04 Europe's seven female founders BBC NEWS
で、こうやって厳密に人類の系譜が明らかになっていくと、明らかになっちゃ困ることまで明らかになってしまって政治がらみな騒ぎになったりしてた。
ユダヤの人々とクルド人は遺伝的に近縁
2001/11 Genetic evidence links Jews to their ancient tribe The Jerusalem Post
2001/11 Study finds close genetic connection between Jews, Kurds Ha`aretz
社会的影響が大きすぎる論文だとして学術誌掲載拒否! 愕然とする研究者たち
2001/11 Journal axes gene research on Jews and Palestinians Guardian
人種という概念は、遺伝子レベルではもう全く意味をなさないほどごちゃごちゃで。
世間にあらわれる人種は、「概念」以上のなにものでもない状態だということは最近よくいわれていること。
人類みな兄弟ならぬみなイトコ
2004/09 'Most recent common ancestor' of all living humans surprisingly recent EurekAlert
人種なんてないよ、みんな混血だもの〜ブライアン・サイクス:Bryan Sykes
DNA検査で人類の道筋を解明する
2001/06 Guardian In search of Eve's daughters

その一方で、特定の民族でかかりやすい疾患、民族によって効く薬効かない薬、があることも事実。
かといって、それを「人種」というのもまた科学的ではない。「体質」でしかないわけだから。
『人種別医薬:カルテに人種を書き込みますか?』
「どこに人種という概念をあてはめるか」
それは、もはや厳密な科学ではなく、政治(意味の押し付け合い)やアイデンティティ(所属)の世界の話になって行くわけで。
2006/12 追記:
まいどオックスフォードの人類遺伝子解析おじさん、イブに続いてアダムも手軽な文庫サイズになりました。

(文庫) 『アダムの呪い』 ブライアン・サイクス (著) ヴィレッジブックス (2006/12)
[ Amazon ] [bk1]
(文庫) 『イヴの七人の娘たち』 ブライアン サイクス (著) ヴィレッジブックス (2006/11)
イギリスにおける姓の世襲制はノルマン人による英国征服の時点で導入され、16世紀までにはほとんどの人が姓を持つようになった
2009/02 EurekAlert Y chromosome and surname study challenges infidelity 'myth'
Y染色体と姓の研究は、不貞『神話』を検証する
Dr Turi King and Professor Mark Jobling
珍しい苗字の男たちはY遺伝子がかなり共通しており、700年の間のいずれかの祖先を共有していると思われる
ありふれた苗字の男たちでY遺伝子がバラバラなのは、不貞とかではなく姓が勝手に拝借された経緯があるからではないか
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