« めぐりめぐってブッシュ・チンパンジー | トップページ | 心を病んでるホームレス:彼らを救うとトクになる »

2005.02.03

礼も仏もない世界@寺院の女性差別

 墓や葬式がなくても、お寺がこんなに恐ろしい場所だったとは…
 全然科学の話じゃないけれど、身の毛もよだつ仏邪道の話を読んでしまった…すじ

表紙
「ジェンダーイコールな仏教をめざして - 女性と仏教東海・関東ネットワーク」
 女性と仏教東海関東ネットワーク編
 鷺書房 2004/05


 仏道では、人間は「女性」に分類されると、まともな修行もできないし、資格も権利もろくに認めてもらえない、ただの備品扱いらしい!?

 昔『ソイレント・グリーン』というSF映画の中で、女性は「ファニチャー(家具)」と称されて生活備品のような扱いをされていた。

 そんなこんなの、お寺の暮らしはものすごく 和風ソイレント・グリーンかい! みたいな。

 ここにわりとコンパクトに例が挙がっている。
       ↓
ネット 『女性と仏教』設立の経緯
曰く、
 ・僧侶が女性の場合だけ、結婚はまかりならぬとするケース:男は結婚しまくり
 ・いかに老練卓越であっても、女性だと駆け出しの若手男性僧侶より地位が下
 ・男性僧侶と結婚した女性は、子育てに加えて本来僧侶が修行でなすべき雑務までのきなみ押し付けられる

 位が高いお坊さんでも、その人が女性だったら、下っ端の男の坊さんの衣をたたんだり、お茶を出したりしなければならない。
 位が高いお坊さんでも、その人が女性だったら、下っ端の男の坊さんより下の末席にしか座れない。
 位が高いお坊さんでも、その人が女性だったら、大事な法要があってもお堂ではなく裏方に回される。

 女人禁制、女性蔑視はあたりまえ。
 で、当該書の中にはもっと怖いリアルが列挙されていたりするわけで。

 「寺」というのは宗教法人の持ち物。
 お坊さんは寺を組織から借りて住んでいる。
 お坊さんがお亡くなりになった場合、残された妻子は宗教法人から見捨てられ、無一文で寺から放りだされて路頭に迷うことがある。おひょ
 さらにはお坊さん自体、ほかの坊さんが「その寺欲しい」と思ったら同意も保証もなく追い出されてしまうことがあると。
 そも、お寺の坊さんは「まともな給料をもらってない」。従業員じゃない、だからすぐクビにできる。

 ん? これって封建社会の悪いとこ取り
 仏教ってこんなだったっけ?なに?

 この「寺を無一文で追い出される」悲惨な事例は、そう頻繁ではないが、確実に実例が発生し、少なからない困窮者を作りだしているらしい。

 寡聞にしてよく知らないのだが、仏道には 女性に分類される人間 は虐げられて当たり前という前提があるんだろうか。
 う〜ん、中学校のころ、どこぞの坊さんに「男は男にしか生まれ変わらない、女は女にしか生まれ変わらない」と断言されて、そりゃおかしいんじゃないかとくってかかったことがあったが。
  それがひっかかってたのでこの本を読んでみたんだが。
 どうもよくわからん。 罵詈雑言
 女性蔑視は教義的に必須の条件なのか、それとも過去の文化影響で取り込んでしまったまま、それが偏見差別に化身してあぐらかいてるだけなんだろうか。
 一部の女人禁制習俗は、仏典由来ではなく、土着の山神信仰や神道の残滓である、ということはないだろうか?
 過去の文化慣習の変質、例えば 【〈女中〉というポジションが貶められ変質していく過程】 のような、かつては尊厳と納得と保証がペイしていたのに、それがいつのまにか一方的な貶めにスライドしてしまったかのごとき、そんな過程があったんだろうか。

 もひとつ、これはごくごくローカルなものらしいが(大谷派限定?)、興味深い(悲しい)事例も挙がっている。
 妻が先に死んだら、夫は葬儀には出てはならない という習俗。うへー

 …これはさぁ、そういう観念が共同体全員にあらかじめ納得の上に共有されているならともかく、ヨソから来た者にまで「奥さんが死んでも葬儀に出るな」って、…うわぁ、なんだかなぁ…。

当該書  羽向貴久子筆 p.167-168
 妻は夫のめんどうをみてから死ぬもので、その勤めを果たさずに死んだ妻の葬儀に出ることはなく、骨を拾ってやることもない、ずっと行われてきたことだという。住職たちに、「諸行無常や縁起の法を説く仏事である葬儀で行われている因習を放置してきたのか」と聞くと、彼らは「今まで気づかなかった」という。三重や岐阜でもご門徒さんは、「ああそうだよ」と事もなげにいい、僧たちは「そんなことは行われていない」という。

 普通に考えても「今では」女に失礼だし残された家族の心も引き裂かれる。
 仏にお仕えして下さっているのなら、「心の手当」は当然考えてくれてもいいような気もするが…。
 ただの法事屋さんになっちまってる? ナゾ
 衆生にはわからなくて当たり前の世界なのかな。

 もしかしたら夫の心を傷つけた上に、それを正当化するために女性蔑視観念までをも仏道として説いてしまったりしているんだろうか。

 うわぁ、うわぁ、わからん世界だ。

※ 葬儀については 「日本人が共有する死の物語」 も参照


へぇボタン:へぇ〜 と押してみるもよし


情報庫: 宗教・信仰  ジェンダー

|

« めぐりめぐってブッシュ・チンパンジー | トップページ | 心を病んでるホームレス:彼らを救うとトクになる »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/863/2788276

この記事へのトラックバック一覧です: 礼も仏もない世界@寺院の女性差別:

« めぐりめぐってブッシュ・チンパンジー | トップページ | 心を病んでるホームレス:彼らを救うとトクになる »